こんばんは。広域避難者支援担当の津賀です。 ひさしぶりのブログです(汗)
さて、すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、「避難されている方々へ」のウェブサイト、リニューアルしました。
まず、デザインを一新しました。 多くの方に愛着を持ってもらうために、ロゴマークやアイコンなど、「かわいい」感じになりました。 単に「かわいい」だけなのかというと、そうではありません。
避難されている方々の置かれている状況について、ある当事者の方が「家族の問題なんだよね」と言われました。いまの暮らしのこと、これからのことを考えるとき、ご自身のことだけではなく「家族」のことを考えられるでしょう。 それぞれの考えや思いに違いはあれど、「家族」というイメージは大事にしたいなと思っていて、それをデザインにうまく反映してもらえました。それぞれ避難されている方々の暮らしが、ちょっとでもほのぼのしたものにつながったらいいなと思っています。
デザインだけではありません。 まずはお住まいの地域を調べたい人が多いだろうと思って「地域からさがす」ことができるようにしました。 いま、避難されている方々へに掲載している情報は、1ヶ月あたり100件ほど更新しています。避難されている方々にはそれぞれタイムリーに知っていただきたいですし、支援されている方々には、様々な工夫や知恵を知っていただければと思っています。
まだまだ限られた方しか利用されていません。これを機会に多くの方にお届けしたいと思っています。
前にもご紹介しましたが、このウェブサイトは、全国各地の団体と福島県と一緒に運営しています。
ネットワークの力をつかって、多くの方に知っていただきたい、見ていただきたいと思っています。
新しくなった「避難されている方々へ」ウェブサイト。これからもよろしくお願いします。
事務局の岡坂です。
さきほど目の前を台風18号が通り過ぎました。「地震・雷・火事・おやじ」と言いますが、「おやじ」というのは一説によると親父(が怒って怖い)ではなくて台風をあらわす「大山嵐(おおやまじ)」のことなんだそうです。今となっては怒ると怖い親父も少なくなりましたので、せめてことわざの上ぐらい親父の威厳が残っていてほしいものです。
そんな台風シーズンもそろそろ終わる先週29日、JCNは世話団体会をしました。この会は通常の団体で言う役員会みたいなものですが、そんな世話団体会も、はや29回目をむかえました。ネットワーク組織となると団体のそれともちがい、事務局としては、なかなか運営が難しいといつも感じています。
今回は6月の総会を終えて最初の回になるため、7月から9月までに実施した会議体や予定などを各担当から報告しました。被災地支援担当からは現地会議(第10回@岩手北上)やケース検討会議、広域避難者支援担当からは広域避難者支援ミーティング(九州2、近畿2)、後方支援担当からは会計報告と参加団体の状況についてお話ししました。
各々の報告はいずれこのブログで出てくると思いますので、僕からはJCNの参加団体さんの状況についてきょうはお話しします。
JCNの参加団体は先日まで「約800」を標榜していました。いまは638団体(会員団体:455・協力団体:183:2014年10月05日現在)です。実は今年の総会から各団体さんにEメールやメール便などを送り、連絡が取れるかを確認し、取りまとめたところ、約160団体ほどが連絡が取れず、残念ながら規約に基づいて退会の対応をしました。
「あら、相当減ったのね、震災から3年半、支援団体が減っていくのもムリはないか...」とお思いになるのが率直なご感想かもしれません。ですが、実はJCNを退会される団体はこの数倍あるんです。驚かれるかもしれませんが、これまで退会される団体さんの数より入会される団体さんの数のほうが上回っていたため、全体として微増していました。
つまり、結構な数の団体さんが出て行って、結構な数の団体さんが入ってくる...という新陳代謝があるのがJCNです。ご承知のとおり災害というのは一つの問題を深く掘り下げていくというよりは、課題がどんどん変わっていく性質のものです。「今の課題は何か?」という問いに応じた支援団体さんがJCNに新たに入り、前の課題に取り組んできた団体さんは一定の役割を終え出ていくのです。つい最近入ったある団体さんは宮城県でボランティアを受け入れていた地元のかたがつくりました。設立は昨年の9月です。こういう団体さんはある意味「ホンモノ」だなと感じます。大切にしたいです。
一方でネットワークとは、それ自体が生き物のようで難しいなと感じます。世話団体会で何かを決めたからといって必ずしもそのとおりになるわけではないのが、一般の団体の役員会とは違うところなんでしょう。
文責/岡坂 建
事務局の岡坂です。
きょうは9月11日です。東日本大震災から3年半となりました。私たちの活動も日々変化し、一方で変化しない現状があります。全国各地で今も、さまざまな形で活動をしている団体やグループがいます。
そんな2014年のきょう、JCNはウェブをリニューアルしました。変えたり工夫したりしたところはいくつかありますが、このページそのものなのでここでは細かいところは特に説明しません。
実は、今回の改修にあわせて休止したコンテンツがあります。「ボランティアバス情報」です。
ボランティアバス情報はJCNのサイトが始まって以来、昨日までずっと続けてきたコンテンツです。ボランティアに行きたい人が遠い被災地でも気軽に参加できるよう、発地着地別で掲載をしてきました。正直昨日まで悩みましたが、一旦休止することを決めました。
理由は4つあります。1つはJCN以外のページでもボランティアバスの情報が広く掲載されるようになりました。震災当初「ボランティアバスって何ですか?」と聞かれることが多かったのですが、今や説明不要になりました。
2つ目は主催者自身がFacebookなどSNSを使って広く情報発信ができるようになったことです。なにもJCNがやっていますと言わなくても、主催している団体さん自身が熱意をもって呼びかけしている声が一般から聞こえやすい時代になりました。JCNの参加団体の皆さんもほとんどがFacebookやTwitterを使っています。
3つ目はボランティアバス自身が、活動を目的にしたもの、観光を目的にしたもの、スタディツアーなど予想以上にバリエーションに富んできたことです。どれも大切なバスです。しかしながら最初は大きなくくりであった「ボランティアバス」がいつの間にか全体のごく一部を指すことに変化しました。実活動をしているものだけがボランティアバスではありません。僕らはこのギャップにしばらく悩みました。
そして4つ目は「ボランティアは何もバスだけではない」という原点回帰です。バスに乗って何か力仕事をすることだけが活動ではありません。調べて知ることも、寄付することも、被災者や避難者、それを支える活動者の声を聞くことも、課題を整理して知恵を絞ることも、何もかも寄ってたかってすべてがボランティアだったはずです。
そんな理由から、「ボランティアバス情報」はしばらく休止します。今度なにかコンテンツを出すとすれば、「今できることがある(のか?)」「まだまだできることがある(のか?)」という問いに応えられるコンテンツにしたいと思います。
それまでしばらくお待ちください。今後ともよろしくおねがいいたします。
文責/岡坂 建
訪問先:一般社団法人SAVE IWATE もりおか復興支援センター
訪問日:2014年7月28日
取材者:中野圭
こんにちは、岩手の中野です!
今回は岩手県盛岡市で活動する一般社団法人SAVE IWATEもりおか復興支援センターの阿部さんにお話をお聞きしました。
―― Q.取り組んでいる地域課題は?
沿岸部から盛岡に避難されてきた「内陸避難者」の方を支援している。盛岡は被災地ではない。沿岸で被災し住まいを失い、避難されてきた方がわりと目立ち、民生委員さんなどから「ここに避難されてきた方がいるよ」といった情報が入ってきた。周りが内陸避難者に気づいていることが多い。被災された方がいるということに関心をもっている人が多かった印象。コミュニティや関係性が、もともとは全くなかった市内のアパートでも、被災した高齢者が入ってきてそれをきっかけにコミュニティができあがってきたという事例もある。
復興支援センターでは700世帯弱くらいの登録がある。沿岸のように被災者同士が固まっていないので、見守りという意味では難しい。ただこれは被災者に限らず、助けを必要としている人を気にし合い、普段からの気づきが持てるかが課題。内陸避難者は長期にわたり被災地ふるさとから離れている。現地の情報が細かいところまでわからない、あるいは地元を捨ててきたという罪悪感もある。気持ちは戻りたくても通院などの理由で戻れないという状況もある。
そのような状況の中、震災以前から生活に課題を抱え困窮状態だった人が、避難してきて生きづらさや課題を抱えながら生活されていた方々がふるさとを離れたことにより、いっそう困窮しているケースがも多い。盛岡にきた理由も、沿岸でうまくいっていなかったから、盛岡ならうまくいくのではと避難してきたが結局難しい。最初は義援金などがあったが仕事も持てずに困窮している。盛岡などの内陸部に避難してきた理由は様々だが震災から3年半が経った今も義援金などを切り崩して生活し、自立や再建するきっかけすらなく困窮されている方々もいらっしゃる。
―― Q.どのような取り組みをされているのですか?
避難者の状況に応じ見守りや支援方法を検討しの優先度をつけ、戸別訪問やサロンを開催している。サロンに参加している人は見守りしなくても大丈夫な人が多い。見守りが必要かどうか、人に寄り添う支援なので、一人ひとりの状況をみながらの判断となる。高層のマンションに住んでいるケースは、防犯もしっかりしている反面、玄関先に行くこともできない場合がある。そうするとなかなか気づきがうまれにくい。ただ管理人と連携し鍵をあけてもらうしながら見守るなどの工夫はしている。見守りが必要な方々には、やはりなんらかの生活困窮者であり社会的に孤立していたりし生活に困窮されている方もいるが、しかしながらこういった問題は震災以前からの社会課題とも言えるので、被災者かどうかに関わらない支援が今後一層必要となる。
また今後の避難先からふるさとへの帰還支援に関して、沿岸被災地の支援団体を知りたい。そしてそうした団体と連携し、包摂的な困窮者支援ネットワークを持ちたい。困窮者は自分の困っていることを外に伝えられない、手が挙げられない。もりおか復興支援センターが良かったのは、なんでもいいから問い合わせを受け付けることができたという環境があったこと。また、本人から手が挙がるのではなくが手を挙げられなくても、周囲の人から「あそこのあの人困っているみたいですよ」という声が聞こえたこともよかった。
沿岸のどこの地区に帰ったら、どのような支援体制があって、どのような環境の変化があるのかをしっかり把握したい。内陸からの沿岸のつなぎ、戻り方の支援が本当にこれから大事になる。溶け込み支援は、内陸から沿岸に帰る人において一層重要な視点になる。
―― Q.どの様なメンバーで取り組まれているのでしょうか?
センターで15名ほど。うち生活相談が5名。ほかサロン担当や窓口・総務担当等事務等。生活相談を受けるのも、単純な震災特有の課題だけではなくなっており変化も多様でではないので難しくなっている。相談員にも臨機応変に対応できる柔軟性と高いスキルが求められている。
―― Q.困っていることはありますか?
震災の課題は長期的であるが、事業が単年度なので継続性とスタッフのモチベーションを維持していくことが難しい。どれだけ避難者の声を聞き、適切な支援ができるかを考え、中長期的に先を読まなければいけない。簡単ではないが、今回の震災を自分のこととして考えなければいけない。課題は多様化しており、例えば定住を決めた人の支援でも、ニーズが変化・細分化していく。その変化を事前に予測しなければ細やかな支援はできない。そうした体制をしっかり作れるか、が課題である。
―― Q.復興を応援してくれる人達にお願いしたいこと、伝えたいことはありますか?
しっかりとした資金支援は引き続き求めたい。複雑化する課題の中で、相談員の高いスキルを担保するためには、人件費をきちんとかけて人材を確保し育成することが必要。 これからの復興は、もっと広く一般の方が参画しやすい仕組みをつくることが大事。被災地だけでなく、いつ自分の身に起こるかわからない災害として県外の人にも関わってほしい。次はどこで起こるかわからない。日本全国、誰でも、いくらでも考えなければいけないことがある。多くの方々と新しい支援の仕組み作りができればと願っている。
<了>
【関連情報】
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