【レポート】町を育てる人を育てる~交流と情報発信を通じた真の人材育成~
訪問先:一般社団法人おらが大槌夢広場
訪問日:2014年9月25日
取材者:中野圭
こんにちは、岩手の中野です!
今回は岩手県大槌町で活動するおらが大槌夢広場の上野さんにお話をお聞きしました。
---- Q.取り組んでいる地域課題は?

岩手県大槌町は、東日本大震災において市街地の6割近くが壊滅した。それにより、雇用場所を失った町民が1ヶ月に40人程人口流出している。地元を復興させるためには、町民全てが本気になり、様々な知識を学び新しいことに挑戦し、町民自身が成長していく事が必要。
設立の経緯としては、町民・専門家を含めた幅広い知識と行動力を結集し、町づくりに関する事業と、同その担い手である大槌町民の生活再建に寄与する事を目的に、2011年11月2日に「一般社団法人 おらが大槌夢広場」を設立した。
行政機能の低下した分野の補完をはじめ、外部への情報発信強化、地場産業やツーリズムの活性化、町民の起業独立支援等を行ってきたが、現在は大槌の「今」を支える活動から「町を育てる人を育てる」ための「未来」を見据えた活動へ事業をシフトさせている。
---- Q.どのような取り組みをされているのですか?
現在は「ツーリズム」と「新聞」の2本柱。ツーリズムに関しては人と人の交流を大切にしている。人は人でしか変わらない。まちの様子は津波で変わったが、町民を変えたのは支援に来てくれた外部の方々との交流だった。ツーリズム参加者には、町民との交流を通して大槌の悩みを受け止め、同時に自身について見つめ問い直すきっかけにしてほしい。
新聞は震災後、町内の情報不足を補うために、立ち上げた。2012年6月に創刊し、現在は約5100部を町内全世帯へ無料配布、そして町外の方へは定期郵送(有料)を行っている。全国紙や広報では伝えきれない複雑かつ多岐にわたる町の復興情報や、住宅再建、これからの町づくりに関する記事を、伝えている。被災前の町の写真なども掲載し、以前のコミュニティや新しいコミュニティを維持するためのツールにもしている。
---- Q.どの様なメンバーで取り組まれているのでしょうか?
※省略
---- Q.困っていることはありますか?
どうやって大槌の住民を底上げしていくか。町民がもっと積極的にまちづくりに関わっていくことができれば、と思う。そこを目指して活動している部分もあるし、自分たちの役割にもなっている。また、活動を継続するための資金に関しても、今後の課題となっている。同時に拠点となる事務所の確保も重要。ずっと借りられるわけではない。資金や拠点がなければそもそも活動の継続は難しい。
---- Q.復興を応援してくれる人達にお願いしたいこと、伝えたいことはありますか?
やっぱり人に来てほしい。「ありがとう」もしっかり伝えていきたい。来てくれたことに「ありがとう」、そしてこれからもまた来てほしい。3年経ち今になってようやく「来てもいいのかな」という人がいる。そういう人達にもぜひ来てほしい。個人的な思いにもなるが、住みたい人だけが住むまちでもいいのではないか。人は減ってもいいのではないか、とも思う。急に発展しなくていい、ゆっくりでいい。それが大槌らしさになればいいと思う。
<了>
【関連情報】
(URL)http://www.oraga-otsuchi.jp/
【問い合わせ先】
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第5回関係省庁定期協議をしました。
事務局の岡坂です。
今朝、起きてワイシャツを着ると、ネクタイを久しぶりに締めてみました。とくにドレスコードはないのですが、こんな時ぐらいは締めていかねば...という単なる気分です。関係省庁定期協議。昨年の9月から始めているこの会は、きょうで5回目になります。NPO側から10名ほど、各省から20名ほどお集まりいただき、35名で始めました。風景はいつもこんな感じです。
写真の奥側に「復興庁」のロゴの入ったパネルがあります。そう、この部屋は復興庁で記者会見をするあの場所です。内閣府、文科省、厚労省、経産省、環境省、復興庁...という具合に並びます。顔ぶれはJCN側から要望した内容に合わせて関係の省庁担当者が来ますので、いつも変わります。
「では、時間になりましたので始めさせていただきます。」進行をされるのは、復興庁のボランティア・公益的民間連携班の金刺参事官。今回は前回こちら側から説明した21の要望について各担当者から丁寧な回答をいただきました。詳細は後日関係省庁定期協議のページに掲載します。
季節柄、各省から概算要求した事業等が話題にのぼりました。東日本大震災の支援活動でNPOに関係のある事業については「復興支援活動を行うNPO等が活用可能な政府の財政支援について(平成27年度概算要求分)」に横断的にまとめられています。復興庁が始まる前の対策本部事務局の時分から取りまとめられている資料で、版を重ねるごとに見やすくなっています。(いつもありがとうございます。素直に感謝してます。パワポでこれだけ編集するって相当根気がいると思います。それ以上に各省への照会など調整事項も多いんでしょうね。脱帽。)
少し話がそれますが、復興庁にフォーカスして言うと平成27年度の概算要求はこのページにあります。それから今回新規にあがっている事業がいくつかありますが、ポイントはこちらの資料(参考:被災者の健康・生活支援に関する総合施策)にまとめられています。
次回は年明けのように思いますので、概算要求されたものがその後どうなったのかを確認しつつ、それまでに参加団体のみなさんから要望を募集して取りまとめしようと思います。
文責/岡坂 建
事務局合宿をしました
事務局の岡坂です。
今週突然寒くなりました。つい先々週まで半袖シャツを着ていた気もしましたが、気づくと上着がいるような季節になりました。「〇〇の秋」とよく言いますが、この季節になるとJCNの事務局が思うのは「上半期」「下半期」という言葉です。そう、もう10月もおわり。折り返し地点はとうに過ぎているのです。
ということで、今年もまた、合宿をしました。結論から言うと〇〇は持ち越しになりました。何が持ち越しになったかは(影響が大きいので)ちょっと言えません(変に秘密にするつもりもないですが)。そして今年も「おっさん10人」でした。あらたなメンバが2人入ってるんですけど、2人とも男性です。で、結局みんな男性です。特に意味はありませんが、どういうわけか男ばっかりなんです。
写真は壁に貼った模造紙にびっしり書かれた文字です。書いたのは新たに入った2人のうちのひとり、Sさんです。彼はこういうのはプロなので今回はお任せしましたら、このような具合になりました。これ2日目の写真なので、実際にはこの倍の量、書かれています。
あーあー(マイクテスト風)、奥歯に物が挟まった言い方はこれ以上無理なので、決まったことを言います。今回はっきり決まったことが1つあります。このブログに【レポート】と書かれた記事がいくつかありますが、それを元につくった「冊子X(仮称)」の第1号がそろそろ発刊されます。出来上がったら参加団体さんほか関係機関の方にお配りします。今年はJCNとしてはめずらしく、年に数回書類を送ることになりそうです。
ぜひみなさんの目にとまり、お読みいただけますように。
文責/岡坂 建
「第10回 現地会議 in 宮城」開催のお知らせ
【おことわり】「現地会議 in 宮城」は、これまでの参加型ミーティングとは異なり、移行期のコミュニティ形成サポートに取り組む県北の団体を中心とした会合となります。(議論を深めるため一般参加者の募集は行いません。傍聴・取材をご希望の方は事務局までお問い合わせください。)

JCNでは、10月29日(水)、宮城県気仙沼市にて「第10回 現地会議 in 宮城」を開催いたします。
JCNでは、被災地・被災者を支援している民間団体等の連携を促し、支援活動を続けるうえで抱える問題や課題を共に考える場「現地会議」を、被災3県にて定期的に開催しています。
第10回となる本会は「恒久住宅移行期におけるコミュニティ支援体制を考える」をテーマに、宮城県県北地域における、地域NPO・社協など支援者同士が互いの立場を理解し、住民を主体に行政・企業などと協働しながらどう課題に取り組むかを探ります。
← ダウンロードしてご利用ください。
開催概要(予定)
- 【タイトル】
- 第10回 現地会議 in 宮城
-恒久住宅移行期におけるコミュニティ支援を考える-
住民を主体に、支援者の協働のあり方を探る
- 【日時】
- 平成26年10月29日(水)13:00~17:00(予定)※開場12:30
- 【会場】
- 気仙沼市役所 ワン・テン庁舎 大ホール
(気仙沼市八日町一丁目1番10号)
http://www.city.kesennuma.lg.jp/www/contents/1169426578374/index.html - 【開催目的】
- 宮城県では2014年度から災害公営住宅への入居が本格化しています。被災住民の深刻な課題がより見えづらくなり、新たなコミュニティをつくる必要も出てきています。今回は、「恒久住宅移行期におけるコミュニティ支援体制を考える」をテーマに、宮城県県北地域における、地域NPO・社協など支援者同士が互いの立場を理解し、住民を主体に行政・企業などと協働しながらどう課題に取り組むかを探ります。
- 【プログラム(予定)】
- 1.グル―プワーク
- 県北地域の現状や課題、これからできることを確認します。
-
- [グループ](調整中)
- 1.残される住民のコミュニティ形成の支援(仮設住宅・被災地域の再建)
- 2.移転する住民と受け入れ住民とのコミュニティ形成の支援(災害公営住宅・誘導型防災集団移転)
- 3.あらたなコミュニティ形成の支援(みなし仮設・在宅・自立再建・協議会型防災集団移転)
- [ファシリテーター]
- NPO法人 日本ファシリテーション協会
- [パネリスト]
- 鈴木美紀氏(社会福祉法人気仙沼市社会福祉協議会)
- 白鳥孝太 氏(公益社団法人シャンティ国際ボランティア会)
- [パネリスト]
- 齋藤貴恵氏(社会福祉法人気仙沼市社会福祉協議会)
- 塚本 卓 氏(NPO法人気仙沼まちづくり支援センター)
- 牧 秀一 氏(NPO法人よろず相談室 理事長)
- 浜上 章 氏(宮城県サポセン支援事務所 アドバイザー・元川西市社会福祉協議会)
参加方法
一般参加者の募集は行いません。
傍聴・取材をご希望の方は事務局までお問い合わせください。
【11/17開催】「第9回 現地会議 in 福島」開催のお知らせ
台風18号のため延期しておりました回の、再スケジュールとなります。

JCNでは、11月17日(月)、福島県いわき市にて「第9回 現地会議 in 福島」を開催いたします。
JCNでは、被災地・被災者を支援している民間団体等の連携を促し、支援活動を続けるうえで抱える問題や課題を共に考える場「現地会議」を、被災3県にて定期的に開催しています。
第9回にあたる本会は「復興公営住宅のコミュニティづくり」をテーマに、福島県の地域の復興の課題を確認し、具体的な解決手段と連携分担を考える機会とします。
← ダウンロードしてご利用ください。
開催概要(予定)
- 【タイトル】
- 第9回 現地会議 in 福島
-復興公営住宅のコミュニティ構築の課題とは-
- 【日時】
- 2014年11月17日(月)13:30~17:30(予定)※開場13:00
- 【会場】
- いわき産業創造館 企画展示ホールA
(いわき市平字田町120 LATOV 6階)
http://iwaki-sansoukan.com/access.html - 【開催目的】
- 生活再建に踏み出した人から仮設で孤立している人まで、共通する課題の一つである「復興公営住宅のコミュニティづくり」をテーマに、福島県の地域の復興の課題を確認し、NPO・社協・行政・企業・自治会にとっての具体的な解決手段と連携分担を考える機会とします。
- 【プログラム(予定)】
- テーマ1 課題を知る -復興住宅のコミュニティづくりの課題とは?-
-
- [報告者]
- 山崎 庸貴 氏(一般社団法人 ふくしま連携復興センター)
- 須賀 明弘 氏(福島県企画調整部避難地域復興局生活拠点課)
- 斉藤 知道 氏(社会福祉法人福島県社会福祉協議会 地域福祉課)
- [進行]
- 鈴木 亮(JCN地域駐在員福島)
- [パネリスト]
- 山中 桂子 氏(社会福祉法人いわき市社会福祉協議会 生活支援相談員)
- 渡部 千惠子 氏・本田 紀生 氏(大熊町ふるさと応援隊)
- 藤田 大 氏(ふたば商工株式会社)
- 猪瀬 絢子 氏(NPO法人 シャプラニール=市民による海外協力の会)
- [コーディネーター]
- 栗田 暢之(JCN代表世話人)
- [テーマ(予定)]
- 1.郡山、南相馬、二本松、会津若松の復興公営住宅への支援
- 2.いわきの復興公営住宅への支援
- 3.復興公営住宅への支援に向けた提言
参加いただきたい方々
- 福島県で活動しているボランティア団体・住民グループのみなさま
- 復興支援に取り組んでいる団体・企業のご担当者のみなさま
- 生活支援相談員など見守り活動に従事されているみなさま
- 行政機関・社会福祉協議会の職員のみなさま
- その他、支援活動に関心のある全国の支援団体のみなさま
参加方法
受付は終了いたしました。お申し込みありがとうございました。
まだ席に余裕がございます。お申込みされていない方でご参加希望の場合は、
直接会場の受付で当日参加の旨お申し出ください。
第3回ケース検討会議in岩手を開催しました!
こんにちは、岩手の中野です。
岩手、宮城、福島において継続開催しているケース検討会議。10月28日は岩手では第3回を実施しました。

今回も各団体の報告・共有事項と、県内各地の団体の動向、地域のトピックや課題、必要とされる支援について意見交換させていただきました。やはり「(仮設住宅からの)移行期」におけるニーズの顕在化や、地域における若者および担い手の不足などが課題として挙げられました。NPOの求められる活動としても、行政や住民組織などとの平時からの連携といった震災以前からの課題に迫るものがあげられました。
今後のケース検討会議は、そのような状況と地域課題を整理・共有したうえでNPOが果たすべき役割の認識と、その強化、そして連携体制整備にむけて具体的なアクションに結びつくものを作り出していきたいと思います。
文責/中野圭
「避難されている方々へ」ウェブサイトのリニューアル
こんばんは。広域避難者支援担当の津賀です。 ひさしぶりのブログです(汗)
さて、すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、「避難されている方々へ」のウェブサイト、リニューアルしました。
まず、デザインを一新しました。 多くの方に愛着を持ってもらうために、ロゴマークやアイコンなど、「かわいい」感じになりました。 単に「かわいい」だけなのかというと、そうではありません。
避難されている方々の置かれている状況について、ある当事者の方が「家族の問題なんだよね」と言われました。いまの暮らしのこと、これからのことを考えるとき、ご自身のことだけではなく「家族」のことを考えられるでしょう。 それぞれの考えや思いに違いはあれど、「家族」というイメージは大事にしたいなと思っていて、それをデザインにうまく反映してもらえました。それぞれ避難されている方々の暮らしが、ちょっとでもほのぼのしたものにつながったらいいなと思っています。

デザインだけではありません。 まずはお住まいの地域を調べたい人が多いだろうと思って「地域からさがす」ことができるようにしました。 いま、避難されている方々へに掲載している情報は、1ヶ月あたり100件ほど更新しています。避難されている方々にはそれぞれタイムリーに知っていただきたいですし、支援されている方々には、様々な工夫や知恵を知っていただければと思っています。
まだまだ限られた方しか利用されていません。これを機会に多くの方にお届けしたいと思っています。
前にもご紹介しましたが、このウェブサイトは、全国各地の団体と福島県と一緒に運営しています。
ネットワークの力をつかって、多くの方に知っていただきたい、見ていただきたいと思っています。
新しくなった「避難されている方々へ」ウェブサイト。これからもよろしくお願いします。
第29回世話団体会をしました。
事務局の岡坂です。
さきほど目の前を台風18号が通り過ぎました。「地震・雷・火事・おやじ」と言いますが、「おやじ」というのは一説によると親父(が怒って怖い)ではなくて台風をあらわす「大山嵐(おおやまじ)」のことなんだそうです。今となっては怒ると怖い親父も少なくなりましたので、せめてことわざの上ぐらい親父の威厳が残っていてほしいものです。
そんな台風シーズンもそろそろ終わる先週29日、JCNは世話団体会をしました。この会は通常の団体で言う役員会みたいなものですが、そんな世話団体会も、はや29回目をむかえました。ネットワーク組織となると団体のそれともちがい、事務局としては、なかなか運営が難しいといつも感じています。
今回は6月の総会を終えて最初の回になるため、7月から9月までに実施した会議体や予定などを各担当から報告しました。被災地支援担当からは現地会議(第10回@岩手北上)やケース検討会議、広域避難者支援担当からは広域避難者支援ミーティング(九州2、近畿2)、後方支援担当からは会計報告と参加団体の状況についてお話ししました。
各々の報告はいずれこのブログで出てくると思いますので、僕からはJCNの参加団体さんの状況についてきょうはお話しします。
JCNの参加団体は先日まで「約800」を標榜していました。いまは638団体(会員団体:455・協力団体:183:2014年10月05日現在)です。実は今年の総会から各団体さんにEメールやメール便などを送り、連絡が取れるかを確認し、取りまとめたところ、約160団体ほどが連絡が取れず、残念ながら規約に基づいて退会の対応をしました。
「あら、相当減ったのね、震災から3年半、支援団体が減っていくのもムリはないか...」とお思いになるのが率直なご感想かもしれません。ですが、実はJCNを退会される団体はこの数倍あるんです。驚かれるかもしれませんが、これまで退会される団体さんの数より入会される団体さんの数のほうが上回っていたため、全体として微増していました。
つまり、結構な数の団体さんが出て行って、結構な数の団体さんが入ってくる...という新陳代謝があるのがJCNです。ご承知のとおり災害というのは一つの問題を深く掘り下げていくというよりは、課題がどんどん変わっていく性質のものです。「今の課題は何か?」という問いに応じた支援団体さんがJCNに新たに入り、前の課題に取り組んできた団体さんは一定の役割を終え出ていくのです。つい最近入ったある団体さんは宮城県でボランティアを受け入れていた地元のかたがつくりました。設立は昨年の9月です。こういう団体さんはある意味「ホンモノ」だなと感じます。大切にしたいです。
一方でネットワークとは、それ自体が生き物のようで難しいなと感じます。世話団体会で何かを決めたからといって必ずしもそのとおりになるわけではないのが、一般の団体の役員会とは違うところなんでしょう。
文責/岡坂 建