東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)

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調査結果が公表されました

こんにちわ。広域避難者支援担当の津賀です。

JCNは、「タケダ・赤い羽根広域避難者支援プログラム」のプロジェクトチームの一員です。
2014年からスタートしたこのプログラムは、当初3カ年の予定でしたが、広域避難者の状況およびニーズの変化とそれに対応する⽀援の必要性から、さらに2年間延長することになりました(2018年度末まで)。
そこで、2017 年度からの延⻑プログラムをより効果的に実施するため、広域避難者の現状や ⽀援状況、ニーズなどの把握を⽬的に、全国の⾃治体、社会福祉協議会、そして、避難当事者を対象にした調査を⾏いました。
遅くなりましたが、調査結果が公表されましたのでお知らせします。

これからの広域避難者と支援に関するアンケート調査について 中央共同募金会のページにリンク

調査結果から特徴的な内容を「冊子」としてまとめています。
また、それぞれ調査の結果は、「調査報告書」としてまとめています。

これらの資料を読んで、広域避難者を受け⼊れる各地の状況、広域避難者の置かれている状況、⼼情を少しでも知っていただければ幸いです。

個人的には、自治体や社協、支援に関わる機関とこれからの支援を考えるときの「材料」にしてもらえたらと思います。
「全国的にみたら、うちの地域はこうなんだ。」
「こういうことなら、うちの地域でもできるかも」
というような話が出てきたらいいなあと。


ご入用の方はJCN広域避難者支援担当までご一報ください。

2018年4月20日 17:15

報告; 現地会議in東北「私が東北に描く未来」

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3月23日(金)、仙台市にて「現地会議in東北-私が東北に描く未来―」を開催致しました。
いわて連携復興センターは、JCNと協働し、岩手担当として参画しています。
当日は、当日は岩手・宮城・福島で活動する方々を中心に20団体31名のご参加をいただきました。

これまで現地会議は、岩手・宮城・福島の3県各地で行なわれてきました。
今回の現地会議in東北では、各県で共通のキーワードとなっている「次世代」というテーマに着目し、3県各地で活動に取り組んでおられる方々(スピーカー)から、 それぞれが持つ「東北に描く未来(ビジョン)」を共有していただきました。

後半は、スピーカーと参加者が一緒になり、グループワークを行ないました。
グループ内で自己紹介とそれぞれの「東北に描く未来(ビジョン)」を共有した上で、そのビジョンを達成するために「壁となる事」を話し合い、主に「ひとづくり」「なかまづくり」「しくみづくり」の3分野で議論を深めました。

グループワークで出てきたキーワードとしては、
「地域住民・外部人材の巻き込み」「持続性の担保」「人材育成と役割分担(適材適所)」「雇用形態の多様化」「機会や場の設定」などがあります。
人口減少社会の中で、地域が地域であり続け、そこで人が暮らしていくためには、社会の変化への対応力や価値を生む力を育み、自分たちで課題解決が出来るしくみづくりや、自分らしい地域との関わり方が大切なのだと思いました。

今回は、岩手・宮城・福島と県を超えての現地会議となりました。
復興への状況や地域の課題は様々でありますが、
未来を見据えたときに、壁となっている事や地域への想いというものの、本質的なところはあまり変わらないのかもしれません。
JCNといわて連携復興センターは、今後も地域で活動されている方々へのサポートと、様々な機会の提供をしていきたいと思います。


文責/いわて連携復興センター 高田

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「JCN REPORT」は、「岩手・宮城・福島のいま」を伝え、
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2018年3月28日 11:53

答えは東北にあるツアー報告~福島編~

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写真:おだかぷらっとほーむ・廣畑さん(中央)

こんにちは、福島担当・鈴木亮です。
「答えは東北にある」ツアー、福島編をお送りします。

2/28~3/2の三日間で、岩手県は北上を出発して釜石、陸前高田と回って気仙沼泊。
宮城県は石巻を訪問したあと、岩元町へ。
そして福島県は南相馬市小高区から浪江町請戸を経由して富岡町、最後はいわきへと、まさに弾丸ツアーでした。

最初の訪問地、「おだかぷらっとほーむ」では三女傑(いわゆる3B)のお一人、廣畑裕子(ひろはたゆうこ)さんのお話を伺いました。


  「帰る」っていう表現自体に違和感があります。
   聞くときに注意してほしいのは、「帰る」のではないんです。どこを「選ぶ」かなんです。
  「どこを選んだんですか?」という表現をしてほしい。
   私たちが住んでいた場所は津波の被害を受けました。
  「いつ帰るんですか?」と家がない人に聞くんです。
  「どこを選んだんですか」という表現にしてほしい。

  小高は戦後、焼け野原から始まって、「戦後よりはいいやな」とお年寄りの人がいいました。
  70年かかって作った町が、ゼロになった。
  人口も13000人がゼロになった。。
  今度は私たちが、もっと短い時間で、前よりもいい街を作る役目があるんじゃないかな。
  たとえ人口が増えていなくても、ここにいる人が笑っていられる町であればいい。


ユーモアあるお話の一つ一つに、この7年の出来事や言い尽くせない思いが溢れていました。

○おだかぷらっとほーむ 廣畑裕子さん(動画15分+19分)
 https://www.facebook.com/suzumeryo/videos/10208783331579678/
 https://www.facebook.com/suzumeryo/videos/10208783487663580/


小高からは双葉郡未来会議の代表にして富岡町に住む平山勉さんがガイドをしてくれました。
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浪江町の請戸港から大平山霊園を回って、国道6号線を南下します。
全町避難が続いている双葉町、大熊町を通り、富岡町で平山さんが経営するホテルひさごへ移動。

ここでお弁当を食べ、平山さんから「帰還困難区域の復興特定再生拠点」のお話を伺いました。

町によっておかれている状況は異なり、あくまで一例として富岡町のお話を、という前置きでしたが、
ここに暮らす人から見た「復興特定再生拠点」がどういうものか、淡々と話していただきました。


〇双葉郡未来会議 平山勉さん(動画21分+13分)
 https://www.facebook.com/suzumeryo/videos/10208784207881585/
 https://www.facebook.com/suzumeryo/videos/10208783843152467/


富岡町特定復興再生拠点区域復興再生計画(PDF)
 

14時半にホテルひさごを出発、富岡駅周辺を周り富岡町の役場周辺から夜ノ森のさくら並木の帰還困難区域ゲートを経て、常磐自動車道で楢葉町、広野町を通っていわきへ。

「まだこの地域は危ない地域と思われるのは仕方ないところもありますが、ここで就職が決まった若者が、家族の反対で内定が取り消されたことも」

福島が他の地域と違う、としばしばいわれる一端を示すお話なども。
だからこそ、実際に地元の人と会い、地域に触れ、変化と展望を感じ、ともに地域の再生に取り組むきっかけとなればと思います。
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写真:いわき食彩館で松崎さん(中央)と木田さん(左)のお話を伺う参加者と筆者(右)

旅の最終訪問先は、いわき駅近くでリニューアルオープンした、いわきオリーブプロジェクトのお店「いわき食彩館」へ。
代表の松崎康弘さんから、農業・オリーブ植林を通した地域づくりの取り組みについて伺いました。
浜通りではオリーブをはじめ、コットン、菜の花、さくら、ゆずなど、植物をテーマにした自治体横断の取り組みが盛んです。
松崎さんのいわきオリーブプロジェクトはその中でも震災前から取り組まれ、国内外とのネットワークを持つ力強い取り組みです。
生産者である木田さんにもご登場いただき、オリーブが持つ可能性を伺いました。

〇いわきオリーブプロジェクト 松崎康弘さん(動画37分)
https://www.facebook.com/suzumeryo/videos/10208785156465299/

こうして3日間の「答えは東北にある」ツアーが無事終了しました。
ご協力、ご参加いただいた皆様に感謝します。

JCNではこのような現場型ツアーのコーディネートのお手伝いもしています。
ぜひ現場とつながるサポートをご相談ください。

鈴木亮





2018年3月16日 14:55

【ご報告】JCNツアーin東北@宮城

こんばんは。JCNの橋本です。
今日は宮城編のご報告です。

3/1、ツアー2日目は春の嵐が吹き荒れるなか、
最初に訪問したのは石巻市立大川小学校です。

74人の児童と10人の教職員が犠牲になった場所です。
災害遺構として校舎の保存が決まっています。

我々はそこで小さな命の意味を考える会代表/3.11メモリアルネットワーク理事の
佐藤敏郎さんからお話をうかがいました。
佐藤さんはご遺族の一人でもあります。
震災前の大川小学校様子、東日本大震災からその後のこと
雨が降る小学校の前で語ってくださいました。
ご遺族のつらすぎる思いとともに失われた命を無駄にしないという言葉が
混ざりあって、強く心に残りました。

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この日は、その後、石巻の八幡屋さん、みらいサポート石巻さんのまち歩き、
山元町の中浜小学校、ふらっとーほくさんとやました幸街堂へと続きますが、
また改めてご報告したいと思います。






2018年3月 6日 20:39

次世代へ紡ぐ岩手旅 ~JCNツアーの報告(岩手編)~



こんにちは!岩手の中野です。
先週2月28日から3月2日まで3日間、JCNツアーが行われました。岩手のツアーをトータルコーディネートさせていただいた中野から、ご報告と御礼を兼ねてブログ記事にさせていただきます。


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<一般社団法人三陸駒舎>
こちらでは馬を核とした心のケアや交流人口増加、地域文化再生などの取り組みを実施しております。地元の郷土料理研究会の皆様のとてもおいしい手料理もいただきました。今でも確かにケアを必要とする子ども達がいて、丁寧で息の長い支援体制が必要であることを教えていただきました。

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<NPO法人かまいしリンク>
2019年ラグビーワールドカップに向けて、地域一丸となってその機会をフル活用しよう、ということで国際交流に取り組む「かまいしリンク」さんが奮闘されています。建設中のスタジアムも見せてもらい、まさに現場でなければ伝わらない空気を味わうことができました。

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<一般社団法人SAVE TAKATA>
こちら若者の拠点として運営している「若興人の家」(わこうどのいえ)にお邪魔し、過去最高収容人数だというありがたいお言葉もいただきながら、陸前高田の今をお聞きしました。地域課題を解決するしくみをつくることを目的とし、地域の持続性に挑戦する姿から被災地支援の現場を学びました。

<NPO法人SET>
学生から社会人まで、関東から東北まで、幅広い若手層の支持を受けながら、それでいて地元陸前高田市広田町住民の大きな信頼を得て「日本の未来」に向かって活動しているSET(セット)さん。被災地の課題解決に必要だと私も思う「ビジョン」を明確に語っていただき、活発な意見交換を巻き起こしていただきました。

今回のツアーの冠は、「答えは東北にある」という言葉。
何の答えが東北にあるというのでしょうか。

答えはいつも、現場にあります。今東北はどうなっているのか、どのように東北と関わることができるのか、7年経っても生と死が混在する場でどう生きるべきか。

これからも、多くの方々に岩手に来ていただけるようにJCNとしても「機会を作っていきたい」と考えています。

文責/中野圭



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「JCN REPORT」は、「岩手・宮城・福島のいま」を伝え、
企業・助成団体・行政・メディアと被災地域のニーズをつなぐフリーペーパーです。

2018年3月 5日 17:47