こんにちは、福島担当・鈴木亮です。
「答えは東北にある」ツアー、福島編をお送りします。
2/28~3/2の三日間で、岩手県は北上を出発して釜石、陸前高田と回って気仙沼泊。
宮城県は石巻を訪問したあと、岩元町へ。
そして福島県は南相馬市小高区から浪江町請戸を経由して富岡町、最後はいわきへと、まさに弾丸ツアーでした。
最初の訪問地、「おだかぷらっとほーむ」では三女傑(いわゆる3B)のお一人、廣畑裕子(ひろはたゆうこ)さんのお話を伺いました。
「帰る」っていう表現自体に違和感があります。
聞くときに注意してほしいのは、「帰る」のではないんです。どこを「選ぶ」かなんです。
「どこを選んだんですか?」という表現をしてほしい。
私たちが住んでいた場所は津波の被害を受けました。
「いつ帰るんですか?」と家がない人に聞くんです。
「どこを選んだんですか」という表現にしてほしい。
小高は戦後、焼け野原から始まって、「戦後よりはいいやな」とお年寄りの人がいいました。
70年かかって作った町が、ゼロになった。
人口も13000人がゼロになった。。
今度は私たちが、もっと短い時間で、前よりもいい街を作る役目があるんじゃないかな。
たとえ人口が増えていなくても、ここにいる人が笑っていられる町であればいい。
ユーモアあるお話の一つ一つに、この7年の出来事や言い尽くせない思いが溢れていました。
○おだかぷらっとほーむ 廣畑裕子さん(動画15分+19分)
小高からは双葉郡未来会議の代表にして富岡町に住む平山勉さんがガイドをしてくれました。
浪江町の請戸港から大平山霊園を回って、国道6号線を南下します。
全町避難が続いている双葉町、大熊町を通り、富岡町で平山さんが経営するホテルひさごへ移動。
ここでお弁当を食べ、平山さんから「帰還困難区域の復興特定再生拠点」のお話を伺いました。
町によっておかれている状況は異なり、あくまで一例として富岡町のお話を、という前置きでしたが、
ここに暮らす人から見た「復興特定再生拠点」がどういうものか、淡々と話していただきました。
〇双葉郡未来会議 平山勉さん(動画21分+13分)
14時半にホテルひさごを出発、富岡駅周辺を周り富岡町の役場周辺から夜ノ森のさくら並木の帰還困難区域ゲートを経て、常磐自動車道で楢葉町、広野町を通っていわきへ。
「まだこの地域は危ない地域と思われるのは仕方ないところもありますが、ここで就職が決まった若者が、家族の反対で内定が取り消されたことも」
福島が他の地域と違う、としばしばいわれる一端を示すお話なども。
だからこそ、実際に地元の人と会い、地域に触れ、変化と展望を感じ、ともに地域の再生に取り組むきっかけとなればと思います。
写真:いわき食彩館で松崎さん(中央)と木田さん(左)のお話を伺う参加者と筆者(右)
旅の最終訪問先は、いわき駅近くでリニューアルオープンした、いわきオリーブプロジェクトのお店「いわき食彩館」へ。
代表の松崎康弘さんから、農業・オリーブ植林を通した地域づくりの取り組みについて伺いました。
浜通りではオリーブをはじめ、コットン、菜の花、さくら、ゆずなど、植物をテーマにした自治体横断の取り組みが盛んです。
松崎さんのいわきオリーブプロジェクトはその中でも震災前から取り組まれ、国内外とのネットワークを持つ力強い取り組みです。
生産者である木田さんにもご登場いただき、オリーブが持つ可能性を伺いました。
〇いわきオリーブプロジェクト 松崎康弘さん(動画37分)
こうして3日間の「答えは東北にある」ツアーが無事終了しました。
ご協力、ご参加いただいた皆様に感謝します。
JCNではこのような現場型ツアーのコーディネートのお手伝いもしています。
ぜひ現場とつながるサポートをご相談ください。
鈴木亮