ケース検討会議in福島を開催しました
お世話になってます。福島担当、鈴木亮です。
今年も早3月となり、報告書作りに追われる年度末となりました。一年の間を振り返り、次の一年の計画を練る素敵な月でもあります。
2月24日に、南相馬市市民活動サポートセンター会議室にて、「ケース検討会議in福島」を実施しました。JCNが被災地駐在員を配置している福島、宮城、岩手の3県で隔月に開催している会議です。
今回の福島のケース会議では、2月6日に開催した「第10回現地会議in福島」の振り返りを中心に、南相馬の関係者をにご参加いただきました。
イベントが重なる時期でもあり、中間支援組織としてはRCF復興支援チームさんのみのご参加でしたが、今後の南相馬エリアの「地域が支えるセーフティネットづくり」について、有意義な議論を持つことが出来ました。
JCN福島担当の鈴木としては、ぜひ南相馬エリアのNPO関係者向けのオープンなメーリングリストを有志で立ち上げてはどうかと思いました。
会議の中でも提案させていただきましたが、運営にかかるコストやメールの多さに対する個人差はありますが、復興5年目に向けて改めて、特に外部からの応援団的な団体の連携を図るためにも、ぜひ有志で進めていきたいと思います。
第11回現地会議in福島は今の所未定ですが、なるべく早くて温かい季節に、三度南相馬での開催を、と考えています。どうぞよろしくお願いします。
文責/鈴木亮
【第10回 現地会議 in 福島(動画)】http://youtu.be/vStjhqSqA-M
【ケース会議にご参加いただいた団体】
- 南相馬市社会福祉協議会
- 南相馬市市民活動サポートセンター
- 相双に新しい精神科医療保健福祉システムをつくる会
- RCF復興支援チーム
【福島ケース検討メモ】
- 課題を可視化できた。グループワークについて皆から社協に対しての意見をもらえた。
- 県内の他地域の話を聞けてよかった。みんぷくの話をきいて、この地域にはない活動をしていると感じた。
- 生活困窮者支援の背景などが理解できた。学びが多かった。どのように連携していくかは重要だが、連携ありきではなく、課題や目指すものをつくる機会。
- 医療と福祉で垣根があった。顔を知り合ってこれからつながっていける機会はなかなかなかった。今後ももっと地元の団体と一緒になれたら。
- セーフティネットという課題は、つながりや連携を必要としている。連携しやすいテーマとも。切実に連携が重要だと感じた。
- 南相馬ではまだ貧困が顕在化していない。一般的に暮らしている分には貧困は見えてこないからわからない。ただ実際に精神障害の家族で、家族もつながれず生活困窮や、アルコールに走るなど、生活困窮の兆候はみえている。顕在化しないのは当たり前、SOSをいえない。これはもともとの問題がある、精神障害、発達障害、介護者がいないなど。
- そもそも相談できる声を挙げられない。
- SOSを発せられない人からどうやって声を拾うか。SOSを聞いたときにどういうふうに支えていくのか。SOSをどういうふうに発してもらうか
- みんなが社協に。ひろく巻き込んでいきみんなが支援する、もっといろくつなぐ。SOSをどうひろって、どう解決し、どう地域ぐるみにしていくか
- 何か災害が起きると「被災者」ができてしまう。そのくくりの中での動きになってしまう。生活支援相談員は「被災者」に限定になってしまっているが、現場の状況はそうではない。
- みんなが社協でありつつも、オフの部分をどうつくるか。見守りしながら、元気な人たちに対して次の役割を。
- アウトリーチ型、プル型、連携型などさまざまなかたちを検討してみたい。
- 社協の生活支援相談員、仕事で関わる。NPOは有志のボランティア精神で関わる。そこの切り分けはしっかりしたほうがいいかもしれない。
- 重要なキーワードとして「つながる・解決の場、育成の視点、3年後の地域ビジョン」
- 制度連携について(生活支援相談員、コミュニティ交流員、復興支援専門員)。被災しながらも避難者を受け入れ、なお避難元は多岐におよび。その経験がみんぷくにはあるのでコミュニティ交流員ができている。
- 連携がうまくいかないのはなぜなのだろうか。財源と制度のつなぎ手がいない。金融機関→地域の状況をストックしており金も持っているという中間支援的なもの。「組織対組織」ではなく「人対人」でつながる。
- 経験のないことに直面させられている、だからこそビジョンを描きにくい。
- 支援したいという企業はいまだにいる。支援をほしい団体もある。進化したプロボノ事例が増えつつある。そのマッチングの場がないのでは。
- 次回の現地会議へ向けたヒアリング。次回11回も南相馬で開催したいと思う。このような場が南相馬にはもっと必要という声をもらった。外部からの応援団長的な存在と、地元の強力なワンマン路線の人の改めての連携づくり。セーフティネット、どのような人が対象? マクロでみる→すべて対象、ミクロでみる→制度。回復力をどれだけ見定めてセルフケア能力をもたせる。どこまでが支援なのか。アラカルトでみると他の情報もわかるし、参考になる。被災地だけ見るのではなく、地域資源・文化も。サポセンとして一歩半先をみすえた活動をどうするか。先をみすえた伴走。
- 中間支援組織によるツアー企画の動きがある。岩手・宮城の沿岸部のまちづくり団体との交流&学びのツアーもいいのでは。
- 南相馬の団体からは浪江・双葉・大熊・飯舘などの動きはあまり見えない。逆側の関心は高い。今後ますます情報交流が必要になる。
- 制度連携、組織連携、個人連携、このパターンならうまくいくかなという話。
- お互いにNPO同士定期的に集まれる場があればいい。サポセンがやっている活動が大きくなれば。22日に登録団体の集まる場を開催した。
- セーフティネット構築を市民に可視化することが大事。生活困窮者自立支援制度が一つの鍵、それを通して市民に開かれれば。必要な機能が役所にない。例えばフードバンク。その機能をどうやって地域の中で作っていくか。「南相馬には団体がない」というより以前に「必要だ」とか「このような支援がある」ということを根本的に知らないかも。
- 「復興支援」が少しずつなくなってくる。いつまでも続くものではない。次の3年、次の5年をいつも頭を巡らせている状況。
- 情報共有メーリングリストをはじめてはどうか。メンテナンスの問題、サポセンでできるか。しかしそんな難しいものではない。セーフティネットに関するもので、必要な情報を取得できれば。