JCNツアー
JCNツアー in 東北 2019 宮城ツアー
概要
【開催日程】2019年11月28日(木)~29日(金)
【参加人数】16名
行程
1日目(11/28)
9:20 | 仙台駅東口集合 |
---|---|
10:20〜 | 岩沼市玉浦西地区視察 ・ 玉浦西地区内を視察 ・ 玉浦西地区の現状と課題 |
13:00~ | 南三陸さんさん商店街 ・ さんさん商店街にて昼食 ・ バスに乗車し南三陸町内を視察 |
15:00〜 | リアス・アーク美術館 ・ 美術館の取り組みについて ・ 美術館観覧 |
17:20 | 気仙沼市内 ・ 懇親会 ・ 宿泊:気仙沼セントラルホテル松軒 |
2日目(11/29)
9:30 | ホテル出発 |
---|---|
10:00〜 | 気仙沼市移住定住支援センターMINATO ・ 気仙沼まち大学の取り組みについて |
11:30〜 | NPO法人浜わらす ・ 浜わらすの活動について |
12:40〜 | ・ 昼食 ・ 気仙沼市内まちづくり協議会等の状況について |
13:30〜 | 気仙沼市階上地区 ・ 階上地区まちづくり振興協議会の取り組みについて ・ 気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館視察 |
仙台駅解散 |
訪問先での内容
岩沼市玉浦西地区視察
東日本大震災で一番最初に防災集団移転が完了した玉浦西地区でコミュニティの現状について、現地で支援を行うつながりデザインセンター(つなセン)の新井氏と住民よりお話を聞いた。
つなセンの新井氏には仙台駅からバスに乗車してもらい、移動の車中、つなセンの事業や玉浦西地区の全体状況について話をしていただいた。玉浦西地区に到着後は、実際に地区内を歩きながら住民の合意形成により作られた街並みを視察。
集会所では、住民の佐々木氏、菊池氏、中川氏から話を聞く。防災集団移転に至る合意形成の話から、現在のコミュニティの状況、震災直後の避難行動や避難生活の話など、つなセン新井氏の進行で話を聞いた。
南三陸さんさん商店街
2017年3月3日にリニューアルオープンしたさんさん商店街で昼食後、南三陸観光協会の語り部にバスに乗車してもらい、かさ上げで変わりゆく街並みをバスから視察。
ガイドの芳賀さんより、震災直後の避難所の様子や、高台にあった旧戸倉中学校が津波に飲まれた話、またかさ上げされていく街並みの中骨組みだけが残る防災庁舎後の状況などをバスの中から視察した。
リアス・アーク美術館
震災以前より地域に内在する文化を記録・公開し、震災後は東日本大震災の記録と津波の災害史を常設展示しているリアス・アーク美術館の取り組みについて副館長の山内氏よりお話を聞いた。
美術館としては普通ではない「震災の記録」を常設展示するに至った背景や、海と生きることを宣言した気仙沼が、津波もまた、共に生きる海の一側面として伝えていくことを使命として行っていることなど展示への想いを伺ったのち、実際に館内を観覧した。
気仙沼市移住定住支援センターMINATO
対話と共創・協働が生まれる仕組みをつくり、挑戦やイノベーションが次々に起こる、市民が主役のまちづくりをしようとまち大学が平成28年に立ちあがった。事務局の成宮氏よりお話を聞いた。経営人材の育成道場や、若者の想いを応援するぬま大学、新たな出会いを生み出すまちづくりカフェなど、市民が一歩を踏み出すさまざまなきっかけを応援する気仙沼の取り組みとなぜそのような取り組みが生まれたのか市の方針やキーマンについて話を聞いた。
NPO法人浜わらす
子どもたちの生きる力 を育む事業を行う浜わらす。震災を契機に立ちあがった浜わらすの活動についてお話を聞く。
防潮堤や嵩上げ工事が進む中で海が見えない町になった気仙沼では、海への恐怖心を抱く大人が増え、子ども達の海への愛着が育たないまま育ってしまう状況がある。子ども達の海離れが進むと感じ、子ども達に海の楽しさ、恵みも含めて伝えるための多様なプログラムについて、子どもが実際に自然を体験するフィールで話を伺った。
気仙沼市内まちづくり協議会等の状況
気仙沼市内のまちづくり協議会などの支援を行っている気仙沼市まちづくり支援センター塚本氏より、気仙沼市内のまちづくり協議会などの状況についてお話を聞く。
仮設住宅から災害公営住宅に移る際も抽選のため、コミュニティの分断があった。防災集団移転や防潮堤建設にあたり、住民同士の話し合いで積極的な取り組みがみられ、住民と行政が一緒のテーブルに乗り議論が行われたが、フェーズの変化により住民の参加率や取り組みの内容について変化が出てきている。
気仙沼市階上地区
津波の影響が大きくあった、階上地区のまちづくりの現状についてまちづくり協議会事務局の熊谷氏からお話を聞く。まちづくり振興協議会はまちづくり協議会やその他地縁組織が統合され、階上地区全体の住民活動の事務局を持つに至った組織である。伝承部会や、福祉部会、商工会的機能も併せ持つ。実際に浸水被害のあった防災広場にて当時の状況なども伺った。
気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館視察
2019年3月にオープンした伝承館を視察。震災直後の記録動画や、旧気仙沼向陽高校の 3階部分に当時の姿そのままに残される自動車や壁に残る津波の痕跡などを実際に視察した。
参加者の感想/アンケート結果
大変満足 | 9 |
---|---|
満足 | 2 |
ふつう | 0 |
まぁまぁ | 0 |
不満 | 0 |
解散前のコメント
- 短い時間ながらも、支援に関わってこられたJCN担当者の思いが伝わってきた。訪問先が厳選されたツアーと感じた。
- 人々の強い思いを、自分たち以外にどう伝えていくのか?大学生を連れてきて、一緒に考える。それが、自分ができる関わり方だと思っている。
- 自分に子どもがいるが、親としての立場として災害が起こった際に子どもをどう守っていくか深く考えた。
- 日本の中でも様々な課題が多い。災害が起こった時にそういうものが浮き彫りになると感じている。
- 南海トラフの参考になった。学んだことをしっかりと伝えていきたい。
- 愛知県には宮城からの避難者が多い。気仙沼はまちづくりという新たなフェーズを前向きにとらえて、よそもの、若者をうまく取り入れて、やっていると感じた。一緒にやろうよ、と言ってもらったようで感謝している。
- いかに被害を少なくおさえるか、という観点から考えたとき、子ども達をより高台へと避難させたことが、被害者を出さなかったという事例を多く聞けた。大川小学校との対比だと思う。これを教訓に自分の地域に伝えていきたい。
- 大平野の中に住んでいる。災害の被害を少なくするために何をすべきかを考えるが、市民に浸透するグッドアイディアを持っていない。ひとり一人がいのちを守る算段をしなくてはならないということを学んだ。
- 益城町のコミュニティづくりに参考にしたい。熊本でどう生かすか、を今後考えていきたい。また視察にきたい。
- テレビではみていたが、まだまだ工事が進んでいる最中であり、盛り土の規模感、まだまだ復旧工事が終わっていないと思った。
- 訪問した団体のすべての方が使命感を持っていた。事実をしっかりと捉え、前向きに取り組みということを考えた。こういうことが起こった、なぜ起こったか、それを広めていく機会提供をおこないたい。
- 気候変動により大きな災害が起こる可能性が増えている。風化を避けたい。今後の災害について未然に防ぐ情報発信をしていきたい。
- 伝承館での最後の映像をみてこの震災の規模を実感した。映像をみると今回会ったみなさんの笑顔を見て、芯の強い方々だと思った。
- いろんな形の支援があるが、その人の尊厳を守る、生きがいを作るという活動を行っている。今後の活動に役立てたいと思う。
- いろいろと回って自分のキャパを超える情報をいただいた。自分自身も防災士なので、人に伝えるときに役立たせたい。15人の皆さんに出会えて嬉しかった。ネットワークが大切だと思っているので、今後も繋がりを持ち続けたい。
アンケート結果
- ボリュームが多く頭が忙しかったが、単なる情報だけではない感情の入った話を聞かせていただいた。本当に充実していた。
- 実際に活動している団体や住民の話を聞け参考になった。玉浦地区の方の話をもっと詳しく聞きたくなった。また聞きに宮城に伺います。
- 30代~40代の方がしっかりとした使命感を持って活動され、街づくり、防災、コミュニティづくりに取り組まれている姿や実際に今起こっていること、今までの想いを直接伺うことができたことに感謝致します。逆に全て自主運営されており、企業としての関わりをどのように変化させていけばよいのか?教えていただければとも思いました。
- 今の宮城県をたくさん知ることができました。
- どの団体の方からも熱い想いが伝わってきて、自分自身も支援者の端くれとして大きな力をいただきました。
- 2日間という日程の中で、様々な地域、団体、施設、人の話が聞けて本当に充実していました。
- 現地を見て理解が進んだ。
- 訪問先、お話は大変満足でした。商店街やお土産を見る時間が欲しかったです。地元の物やプロジェクト製品が見れなかった部分は残念でした。