東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)

関係省庁定期協議

第5回 関係省庁定期協議

第5回目の関係省庁定期協議は、2014年10月に開催いたしました。
本協議では、第4回(前回)にNPO等から寄せられた要望・質問への各省庁からの回答について説明をいただくかたちで進められました。

開催概要

日時 2014年10月28日(火)14:00 - 15:30(90分)
会場 復興庁 1階 大会議室
議事 1. この会議の進め方の説明
2. 出席者の自己紹介
3. 要望への回答と質問
参加者数 37名

要望・質問に対する回答

本協議で扱った要望・質問と、各省庁からのそれらへの回答の一覧です。

  1. 予算要望
  2. 制度の運用、実施
  3. 今後の震災対応に関する要望事項

1. 予算要望

要望 事項名 県外自主避難者等への情報支援事業に関して
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 平成27年度、県外自主避難者等への情報支援事業に関して、予算の拡充と、制度の運営の改善を要望する。具体的には、本事業は、現在、民間事業者が事業管理者を担当しているが、来年度は、福島県が事業管理者となり、NPOに委託できるように制度を変更していただきたい。
【理由】
現在、福島県が主体となって同様の事業を実施しており、情報が錯そうしており、現場で一部混乱が生じている。民間事業者が事業者となっているために、情報が古かったり、網羅的・的確でないという状況がある。避難者は、行政関係の情報を必要としており、福島県が情報管理者となることで、情報の的確さが図れるようになる。その上で、各地の事業実施NPOとの連携が図れるようにすべきである。
種類 制度の運用と予算要望
担当省庁 復興庁
関連法令等 子ども被災者支援法
回答 回答者 復興庁
内容 本事業は、情報提供等により避難者自らの帰還・移住の決断に寄与することを目的としていることから、国が中立的な立場で実施主体となっており、特定の自治体が事業を運営することは想定していません。
事業管理者の選定は、一般競争入札により行っており、入札に参加するには平成26年3月28日付官報公告に記載の資格(全省庁統一資格)が必要となります。選定にあたっては、NPO法人等の管理に関するこれまでの実績や個人情報保護に関する認証取得状況などを踏まえて実施しており、民間調査会社のノウハウを有効活用する必要があると考えています。
現在、これらを踏まえ現行の事業スキームにより実施しているところであり、平成27年度においても同様の事業内容を予定していることから、引き続き、同様のスキームで実施する必要があると考えています。
ニュースレターで提供する情報のうち、避難元情報については事業管理者から福島県を通じて県及び県内自治体の情報を収集するとともに、避難者にとって有益な情報となるよう復興庁にて内容確認を行っているほか、福島県が独自で行っている情報提供とは極力重複しないよう、事業管理者が福島県と連携しながら進めています。
要望 事項名 NPO等の運営力強化を通じた復興支援事業に関して
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 平成27年度も継続事業としていただきたい。また、予算を拡充していただきたい。
【理由】
中長期的な被災地の復興や被災者の支援のためには、現在、被災地で活動しているNPO等の基礎能力向上を支援し、自立しながら、5年、10年と被災地の変化するニーズに対応することの出来るNPO等の育成が不可欠である。被災地におけるNPO等の基礎的運営能力強化や人材育成・ネットワーク形成に利用できる制度が限られている中、本施策は、極めて有用である。
種類 予算要望
担当省庁 復興庁
内閣府
関連法令等  
回答 回答者 内閣府
内容 平成27年度概算要求において、当該事業の継続を平成26年度と同額にて要求を行っているところ。
要望 事項名 仮設住宅における介護等のサポート拠点運営費等に関して
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 平成26年度で事業が終了することとなっているが、この期間をあと3年間延長し、基金の積み増しをお願いしたい。
【理由】
仮設住宅での居住が長引き、自立できる者は去って行っているが、社会的に自立できにくい弱い被災者が、仮設住宅に残されている現状がある。特に福島県においては、帰還困難区域を抱える市町村において、避難者の中でも介護サポートを要する高齢者・障がい者等が多数残されている。震災関連死の増加を食い止め、地域包摂へのシフトを促すためにも、期間の延長が必要である。
種類 予算要望
担当省庁 厚生労働省
関連法令等 介護基盤緊急整備等臨時特例基金
回答 回答者 厚生労働省
内容 被災者の避難が長期化する中、応急仮設住宅の高齢者等を取り巻く様々な課題に対しては、生活面や健康面での総合的な取組を適切に講じることが必要であると認識しています。
平成27年度の概算要求においても、当該事業により必要な支援が継続できるよう被災県の要望を踏まえつつ、基金残高と所要見込額を確認のうえで、基金の積み増し及び実施期限の延長を盛り込んでいます。
基金執行の適正化の観点から、複数年の延長は難しい。
要望 事項名 社会的包容力構築・「絆」再生事業に関して
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 本事業は、平成26年度末までが期限となっているが、平成27年度も継続実施し、基金への予算の積み増しをお願いしたい。また、仮設以外の地域コミュニティでも事業実施を可能にしていただきたい。
【理由】
以下の3つの理由から、継続実施および制度の拡充をしていただきたい。
①復興住宅等の設置の遅れにより、応急仮設での生活の長期化が見込まれること。
②仮設での生活の長期化に伴い、自立復興できない高齢者等の社会的弱者への継続支援の必要性が増していること。
③仮設住宅の統廃合により、新しいコミュニティ支援が必要なこと。
種類 予算要望
担当省庁 厚生労働省
復興庁
関連法令等  
回答 回答者 厚生労働省
内容 地域コミュニティ復興支援事業については、緊急雇用創出事業臨時特例基金の実施期限満了に伴い、廃止する方向であるが、避難生活の長期化等の状況を踏まえれば、被災者の方々に対する見守り等の日常生活支援については、引き続き重要であると考えている。
このため、これまでの地域コミュニティ復興支援事業による取組も踏まえ、平成27年度概算要求においては、自治会活動などの住民による地域コミュニティ活動とも連携し、相談支援や孤立防止のための見守りなど、被災者の方々に対する日常生活支援を行う「地域コミュニティ活動を活用した被災者生活支援事業」を新たに創設することとしており、本事業を通じて、引き続き被災者の方々の日常生活支援の充実を図っていきたい。
要望 事項名 被災した子どもの健康・生活対策等総合支援事業に関して
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 応急仮設のある自治体だけでなく、みなし仮設住宅、県外避難者の入居している公営住宅も対象とし、その自治体を支援対象に含めていただきたい。また、心を育む内容へも予算を拡充していただきたい。
【理由】
被災した子どもの生活環境や心のケアの問題は、応急仮設住宅だけでなく、みなし仮設住宅や県外避難者の子どもたちにとっても大きな問題となってきている。支援対象を広げていただきたい。また、モノ(大型遊具)だけでなく、子どもが利他の心を育む「心の健康」に関する事業が不十分であるため、対象事業のメニューを拡充していただきたい。
種類 予算要望
担当省庁 厚生労働省
関連法令等 子育て支援対策費補助金
回答 回答者 厚生労働省
内容 様々な形で被災の影響を受けている子どもに対する支援を強化するとともに、避難生活の長期化等に伴う新たな課題に対応するため、平成26年度より「被災した子どもの健康・生活対策等総合支援事業」を創設したところ。
特に、被災児童の心の健康に資する事業については、「親を亡くした子ども等への相談・援助事業」を活用し、自治体において取り組んでいるところであり、支援の対象となる被災児童及びその家族は、応急仮設に居住するものと限っていない。平成27年度においても、引き続き事業を実施するために、必要額を概算要求しているところである。
また、本事業は東日本大震災復興特別会計を財源としているため、その使途については、被災地域の復旧・復興に直接資するものを基本とすることとされていることから、使途の厳格化を図る観点により、実施主体を被災県(岩手県、宮城県、福島県)、被災指定都市等(仙台市等)及び被災県内市町村に設定しているところである。
しかしながら、運用においては、実施主体の判断により、実施主体以外の自治体の避難者に対しても支援が可能となるよう
・実施主体から避難者のいる自治体への委託
・実施主体から避難者のいる自治体の民間団体への委託
・実施主体から委託を受けた民間団体から避難者のいる自治体の民間団体への委託等、
被災自治体が実施主体として事業の委託を可能としているところである。
なお、厚生労働省においては、9月30日付けで各自治体に対し事務連絡を発出し、委託による実施形態等についてあらためて周知を図り、事業の積極的な推進について依頼したところである。
要望 事項名 地域人づくり事業に関して
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 本事業の平成27年度以降の継続をお願いしたい。また、その雇用の受け入れ先にNPOが入るようにしていただきたい。また、福島においては、高齢者枠を拡大していただきたい。
【理由】
地域人づくり事業は、平成27年度末までの事業となっており、応募は、平成26年度中が期限とされている。しかし、被災地では、今から人が帰還して事業を開始するステージに入っていく。NPOは、雇用の担い手として受け入れ先になるものである。また、特に福島県の帰還困難区域を抱える市区町村において、例えば、「大熊じじい隊」や、それを支える「大熊町ふるさと応援隊」のように、モデルとなる高齢者主体の復興体制づくりが広がりつつある。この広がりをさらに発展させるべき時である。
種類 予算要望
担当省庁 厚生労働省
復興庁
関連法令等 震災等緊急雇用対応事業
回答 回答者 厚生労働省
内容 「地域人づくり事業」は平成26年度限りで終了するが、平成27年度概算要求に「震災等対応雇用支援事業」を盛り込んだ。
「地域人づくり事業」は、地域の多様なニーズに応じて行う自治体の雇用拡大や処遇改善に向けた取組を国が財政的に支援するものである。
「雇用の受け入れ先にNPOが入るようにしていただきたい」、というご要望については、実施要領等において、NPOに委託することを排除しているわけではないが、個別具体的な事業において実施主体をどの範囲とするかは、事業実施主体である自治体において決定されるべきものである。
「福島において、高齢者枠を拡大していただきたい」、というご要望については、事業実施に当たり、どのような目的でどのような対象者とするかということも、同様に事業実施主体である自治体において決定されるべきものである。
要望 事項名 被災地の社会的課題解決事業支援補助金に関して
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 予算を増額していただきたい。新規事業に必要なスタートアップ費用も補助の対象としていただきたい。
【理由】
新規ソーシャル・ビジネスが事業化を始める際の資金的支援が現行では不十分である。また、ノウハウの移転のみでは、ビジネスを開始することが難しい。スタートアップ費用を補助する補助金制度を設けることで、さらなる仮設住宅等における社会的課題の解決を図るべきである。
種類 予算要望と制度の運用
担当省庁 経済産業省 地域産業経済グループ 地域新産業戦略室
関連法令等  
回答 回答者 経済産業省
内容 「被災地の社会的課題解決事業支援補助金」は平成27年度概算要求を行っておらず、平成26年度をもって事業終了となるが、地域が抱える課題をビジネスの手法により解決する中小企業やNPO法人等を支援する「地域課題解決ビジネス普及事業(委託事業)」を新たに平成27年度概算要求を行っているところ。
また、平成24年度補正予算及び平成25年度補正予算において、創業(会社設立、NPO法人設立(平成25年度補正から対象として追加)、個人事業開始等)に要する費用の一部を補助することによって、これまで9,000件を超える創業を支援しているところであり、平成27年度概算要求も行っているところ。
要望 事項名 多様な主体による地方部の地域づくり活動支援体制構築事業
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 本事業の予算の増額をしていただきたい。
【理由】
被災地の復興まちづくりには、多様な主体による参画は不可欠である。そのとりまとめ役として、行政が期待されているが、行政は、あまりにも長く続く各種業務に忙殺されており、十分な役割を果たせ切れない現状がある。この意味で、NPOを有効活用し、支援体制の構築が図られる必要があるが、現状の予算では、少なすぎる。
種類 予算要望
担当省庁 国土交通省
関連法令等  
回答 回答者 国土交通省
内容 増額要求をしているところであり、引き続き適切に検討していきたい。
要望 事項名 広域避難者のワンストップサポートセンターの設置に関して
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 広域避難者支援として、避難先での総合相談窓口の設置、もしくは、「よりそいホットライン」に避難者専用のラインの設置をしていただきたい。
【理由】
広域避難者は、現在、相談する先がほとんどないという問題を抱えている。いくつか相談先があるが、相談対応時間が限られるなど、利用しにくい状況にある。電話だけの対応だけでなく、専門家の派遣や同行サポート、地域の福祉の担い手へのつなぎなど、避難者の相談に総合的に対応できる窓口が必要である。
それが難しい場合には、「よりそいホットライン」の拡充をお願いしたい。広域避難者対応は、毎月11日と一日だけであり、避難者から批判の声が出ている。「よりそいホットライン」に広域避難者専用のラインを設けていただきたい。
種類 予算要望
担当省庁 復興庁
厚生労働省
関連法令等  
回答 回答者 復興庁・厚生労働省
内容 福島県からの避難者については、県の避難者向けの窓口があるので、こちらにご相談いただきたい。また、避難先の自治体にも担当の窓口があると思われるので、そちらにご相談いただきたい。さらに、県外自主避難者等への情報支援事業の受託先NPOの窓口やよりそいホットラインなども合わせてご活用いただきたい。
「よりそいホットライン」では、被災3県以外に避難する広域避難者からの様々な日常生活上の相談に、適切に対応するため、平成26年5月より、専用ラインを設けているところ。
要望 事項名 被災地3県以外のNPO等が連携して支援できる仕組みの強化に関して
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 被災地3県以外の地域のNPO等が連携して支援できる仕組みの拡充をしていただきたい。
【理由】
現在、被災地における高台移転の工事が進められているが、こうした工事が完成した後の地域コミュニティの構築をどう進めていくかが大きな次の課題となっている。このようなコミュニティづくりは、行政や、地元の団体だけでは十分に対応できない。また、地元では圧倒的にマンパワーが不足しており、被災3県の外からの支援の強化が必要である。
種類 予算要望
担当省庁 復興庁
関連法令等  
回答 回答者 復興庁
内容 復興庁では、NPOが活用可能な各省庁の財政支援策を適時に更新しており、先日は夏の概算要求の内容としたところ。この中では、被災3県以外のNPOを支援する事業も含まれており、新たに追加した事業もある。これらの活用によりNPOと連携して復興の加速化を進めていけるよう情報提供に努める。
要望 事項名 国の制度・予算と地域をつなぐコーディネーターの設置に関して
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 国の制度・予算と、地域課題をつなぐコーディネーター制度を創設して、NPOに委託できる仕組みを作っていただきたい。
【理由】
膨大な復興予算の中から、地域課題の解決のために何が有効に活用できるかは、地元自治体に委ねられている。しかし、地域づくり、コミュニティ支援等のソフト事業に関しては、予算の意義の読み込みや柔軟な解釈が求められる。自治体だけでは十分に対応しきれていない現状がある。そこで、国が活用術を伝授して、コーディネーターを育成し、制度や予算が十分活用できるようにしていく必要がある。
種類 予算要望
担当省庁 復興庁
関連法令等  
回答 回答者 復興庁
内容 復興庁では、平成27年度概算要求において、コミュニティ復興総合事業で、国・自治体と連携し、支援機関同士の連携促進等を担うコーディネート人材の配置を盛り込んだところ。支援対象はNPOや社協などの被災者支援団体を想定している。。
要望 事項名 復興住宅・災害公営住宅モデルハウスの設置について
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 復興公営住宅・災害公営住宅の公募に際して、住民が自分達の暮らす生活環境を目で見て肌で感じられるよう、モデルハウス・展示場を国の10割負担で設置する。また、復興交付金やコミュニティ復活交付金などの活用事例集を作成し、各県・市町への説明(会)を実施していただきたい。
【理由】
東日本大震災の被災地域の大半の住民はもともと戸建て暮らしをしていたため、復興住宅・災害公営住宅(とくに集合・高層タイプ)での生活がイメージできず、説明会で配布される物件に関する文章・図面だけでは暮らしの実感がわかず、モデルルーム・住宅展示場を設置して欲しいという声が多かった。
しかしながら、実際にこういった住民の声に対応できた地域は東北3県の中では、宮城県の女川町、福島県の郡山市、いわき市の3か所に留まった。結果、東北の各地で希望しない住環境への不満、申込みの取り消し、別の場所への再申込みをするも期日を過ぎてしまうなどの問題が発生している。この状況はとくに高齢者世帯に顕著にあらわれている。交付金という形で自治体に判断をゆだねることは、「地域・被災の状況に応じて柔軟に対応する」という意味においては有効な考え方であるが、現実的には地方の財政・情報不足により正常な判断が機能していない。
種類 予算要望
担当省庁 復興庁
国土交通省
関連法令等 復興特別区域法
回答 回答者 復興庁
内容 交付金の具体的活用方策については、地域の創意工夫により検討されるべきものと考えるが、集合住宅型の災害公営住宅のモデルルームの設置についても、復興交付金により支援をしてきているところ。なお、災害公営住宅のモデルルーム整備等にも活用可能である旨、担当者会議等を通じて、地方公共団体に周知しているところ。
福島県における原発避難者向け復興公営住宅のモデルルームについては、見学希望者が来場しやすい立地を鑑み、ご存知のとおり、郡山市といわき市の2ヵ所に設置。復興公営住宅は主に福島県が事業主体となっており、基本的にはモデルルームと同様の仕様にて整備を進めているところ。なお、県外避難者に対しても、復興公営住宅のイメージをご覧いただけるよう、無料送迎バスツアーを実施。
また、昨年度、長期避難者等の生活拠点形成のための「コミュニティ研究会」を開催し、避難元市町村、受入市町村、福島県、関係省庁によって、有識者等の意見を聴取しながら、ハード・ソフト両面にわたって検討。当該研究会での議論を踏まえ、昨年度末にコミュニティ復活交付金などの活用方策を盛り込んだ報告書をとりまとめたところ。
現在、復興庁、福島県、避難元市町村及び受入市町村にて個別部会を開催し、上記報告書の事例や地域の実情を踏まえた、具体的な事業の実施に係る協議をおこなっており、説明会は不要と認識。
なお、被災地の住まいの復興事業で取り組まれている、人口減少・高齢化などの地域の課題を解決する「工夫」や、地域の魅力を引き出す「こだわり」を持った災害公営住宅の設計を事例集としてまとめ、展開している。
要望 事項名 ふくしまっ子自然体験・交流活動支援事業
福島県社会教育団体自然体験活動支援事業を実施するにあたっての調整員の配置および補助内容の拡充
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 1) 調整員の配置:事業実施にあたって、制度運用者(県、教育委員会)、送りだし側(市町村・市町村教育委員会・学校・社会教育団体等)、受け入れ側・市民団体・業者との調整に特化した調整員を配置していただきたい。
2) 補助内容の拡充:宿泊費および活動費・交通費が補助内容となっているが、6泊7日以上の保養プログラムを実施するためには、引率担当者の引率手当の支給をしていただきたい。
【理由】
1) 調整員の配置:申請から実施までの作業が複雑・煩雑であり、事業を実施したい県内の市町村・教育委員会・学校・社会教育団体等と受入れ可能先(行政・教育委員会・学校・市民活動団体等)コーディネートする機能が不足している。受入れ可能先に関して全国から情報収集したり、プラン策定段階から市民活動団体が参加、連携する必要がある。
2) 補助内容の拡充:6泊7日以上の保養プログラムを実施するためには、引率する行政職員・教師等の負担がある。また、スポーツ少年団などは社会人が指導にあたっている例が多く、まとまった休暇をとれないことから、引率休暇や引率手当等が必要である。
種類 予算要望
担当省庁 文部科学省
関連法令等 ふくしまっ子自然体験・交流活動支援事業
福島県 社会教育団体自然体験活動支援事業
回答 回答者 文部科学省
内容 1) 本事業の実施にあたり、4月に福島県が県内市町村教育委員会や全国のNPO団体等を対象とした事業説明会を開催し、情報共有や意見交換等を通して事業活用の促進を図りました。また、NPO団体が主催する意見交換会も開催されており、それらを関係する団体間の調整等に利用していただきたいです。
2) 引率者については、参加する子供たちと同様に、宿泊費、活動費、交通費が補助対象となっており、必要な経費が補助されています。

2. 制度の運用、実施

要望 事項名 福島原子力災害避難区域等帰還・再生加速事業
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 現在、福島県各市町村が進めている避難者の生活再建のための説明会・意見交換会に、住民組織・NPO・自治会・商工会・社協等、民間側の組織の参加を促進し、かつ国・県側の現場担当者の出席機会を増やしていただきたい。
【理由】
市町村単位だけの対話では、県及び国への不満を募らせることに留まりがちである。また、市町村の理解を得られなければ、民間の取り組みが進まない現状もある。国・県・市町村・民間の責任者が、住民の対話の現場に加わることで、再生を一層加速することができると考える。
種類 制度の運用
担当省庁 復興庁
関連法令等 福島復興再生基本方針
回答 回答者 復興庁
内容 具体的に、復興庁が参加すべき、またはNPOが参加したいと考える説明会があれば、個々に復興庁や市町村等にご相談いただきたい。
要望 事項名 仮設住宅の空き室でグループホーム事業ができるようにしてほしい
提出者 いわて障がい福祉復興支援センター
内容 応急仮設住宅の入居要件を緩和し、障がい福祉サービスの共同生活援助(グループホーム)や生活介護等の福祉事業も活用を認めていただきたい。
【理由】
障がい福祉サービス事業は、経営規模が小さく、経営が安定せず、職員の定着・確保等が困難な脆弱な業界であり、ハード整備を行うことが困難である。岩手県内521事業所の半数以上が職員10人未満の事業所である。
復興のまちづくりが進まず、人口流失、活用できる賃貸物件の不足から、福祉事業者がサービス基盤を形成するにはリスクが高い。しかし、復興期の現在も福祉サービスの必要性がある。リスクを最小限におさえつつ、福祉のニーズに対応するため、仮設住宅の入居要件を緩和し、空き室を活用したグループホーム事業ができるようにしてほしい。
種類 制度の運用
担当省庁 内閣府
関連法令等 災害救助法
回答 回答者 内閣府
内容 災害救助法に基づき設置された応急仮設住宅は、災害により住家を失った被災者に対し、一時的、応急的な仮の住まいを供与するために設置されたものであり、その目的のために都道府県が取得した行政財産である。このため、そもそも応急仮設住宅は他制度に基づく事業を行うことを目的としていないが、地方自治法第238条の4・第7項及び設置主体である都道府県の条例・規則等に基づく行政財産の目的外使用許可を受けることにより、被災者以外の者が使用することも可能である。この使用許可を受けることが可能であるかについて、まずは都道府県にご相談いただきたい。
なお、応急仮設住宅は、被災者に供与するために設置されたものであるため、空き住戸がある場合も、都道府県内外の応急仮設住宅からの住み替えが必要となる被災者が迅速に入居できるようにしておく必要があり、目的外使用許可により被災者以外の者が入居できる期間は、入居を希望する被災者が現れるまでの間に限るので、留意する必要がある。
要望 事項名 ふくしまっ子自然体験・交流活動支援事業
福島県 社会教育団体自然体験活動支援事業の対象拡大、内容の見直し及び手続きの明確化
提出者 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会
内容 3点の見直しを求める。
1) 対象拡大:福島県外に在住する子ども以外に福島県内と同等程度の放射能汚染に見舞われている子どもにも拡大していただきたい。
2) 内容の見直し:6泊7日以上プログラムはもう少し短くしていただきたい。
3) 手続きの明確化:「社会教育団体」であると認めてもらう手続きを明確にしていただきたい。
【理由】
1) 除染特別地域および汚染状況重点調査地域に該当する地域では、福島県内と同等程度の放射能汚染に見舞われており、これらの地域に居住する子どもたちも補助対象に加え、自然体験や交流を通じた育ちの支援が必要である。
2) 6泊7日以上プログラムを実施することについて、引率する行政職員・教師等の負担が過重な上、低学年児童の保護者は長期間子供を送り出すことに抵抗がある。また、スポーツ少年団などは社会人が指導にあたっている例が多く、まとまった休暇をとれない。
3) 申込みにあたっては、事前に「社会教育団体」であると認めてもらう手続きが必要であるがその基準が明確にされていない。
種類 制度の運用
担当省庁 文部科学省
関連法令等 ふくしまっ子自然体験・交流活動支援事業
福島県 社会教育団体自然体験活動支援事業
回答 回答者 文部科学省
内容 1) 本事業は、福島県が実施してきた「ふくしまっ子体験活動応援事業」のこれまでの実績を踏まえ、福島県からの具体的要望に基づいて創設したものです。また、子ども被災者支援法に基づく「被災者生活支援基本方針」において「支援対象地域」の範囲が福島県内に限られていること等を踏まえ、福島県全域を対象とすることとしました。
2) 活動の期間については、日常の学校の教育課程では提供が難しい多様な体験活動が実施できるよう、夏休みや冬休みの期間を利用した比較的長期間の活動を推進する観点から、社会教育関係団体については、おおむね1週間以上の宿泊を伴うものについて補助対象とすることとしたものです。
3) 補助対象となる社会教育団体については、子供たちの健全育成を目的として定期的に活動している団体としており、福島県において書類審査やヒアリング等を行い、対象団体と認める手続きを行っています。

3. 今後の震災対応に関する要望事項

要望 事項名 災害派遣福祉チームの制度化について
提出者 いわて障がい福祉復興支援センター
内容 大規模災害時に避難所等において災害時要援護者の福祉・介護等のニーズ把握や応急支援などを担う「災害派遣福祉チーム」について、災害派遣医療チーム(DMAT)同様に災害救助法の下に制度化していただきたい。
【理由】
東日本大震災発災時に、発達障がいなどの障がいのある方たちが避難所で受け入れられず、過酷な避難生活を送った方たちがいた。これを受けて岩手県では災害派遣福祉チームを創設しているが全国的な取り組みとはなっていない。今後の災害に備えるためにも、災害派遣福祉チームを災害救助法の下に制度化し、予算確保ができるようになる必要がある。
種類 制度の創設
担当省庁 内閣府
関連法令等 災害救助法
回答 回答者 内閣府
内容 高齢者・障害者等で避難所での生活に支障をきたすため、避難所生活において何らかの特別な配慮を必要とする方については、その方が避難できるような機能を有する施設等を「福祉避難所」として供与することが可能である。福祉避難所を設置した場合、生活に関する相談等に当たる職員等をおおむね10人の対象者に1人配置するための費用や、日常生活上の支援を行うために必要な消耗器材等の費用が災害救助費の対象となる。
なお、災害派遣医療チーム(DMAT)は災害救助法上の制度ではないが、医療を必要とする状態にあるにもかかわらず、災害のために医療の途を失った者に対して応急的な診療を行う場合の費用について、同法に基づく災害救助費の対象としているものである。
要望 事項名 南海トラフ等災害に備え、留学生・外国人が解る防災マニュアル、ガイドラインに関して
提出者 NPO法人 国際教育文化交流協会
内容 日本に住む留学生・外国人らが、大きな災害に会ったときのための防災マニュアル、ガイドラインが策定されているか。また、多言語での翻訳マニュアルがあるか。あれば頂きたい。
【理由】
防災マニュアル、ガイドラインが策定されていることは、留学生・外国人の日本での生活の安全、安心のみならず、母国の両親や親戚縁者に対しても、安心材料となるものである。また、留学生・外国人それぞれの母国語でマニュアルを備えることは、日本での防災・減災ノウハウを学び、帰国後の母国でのまちの防災・減災活動にも役立てられる。
種類 その他
担当省庁 総務省
関連法令等  
回答 回答者 総務省
内容 http://open.fdma.go.jp/e-college/(→ ページ最下部にある英語、中国語、韓国語、ポルトガル語それぞれのリンクにアクセス)

資料

配布資料

速記録

要望提出者

本協議へご要望・ご質問をお寄せいただいた団体の一覧です。

  • いわて障がい福祉復興支援センター
  • NPO法人 国際教育文化交流協会
  • 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)世話団体会

出席者一覧

本協議に出席した団体等の一覧です(※発言者のみ)。

内閣府
政策統括官(経済社会システム担当)社会基盤担当
政策統括官(防災担当)災害救助担当
政策統括官(防災担当)被災者行政担当
復興庁
ボランティア・公益的民間連携班
原子力災害復興班
文部科学省
スポーツ・青少年局 青少年課
厚生労働省
職業安定局 地域雇用対策室
雇用均等・児童家庭局
社会・援護局 地域福祉課
老健局
経済産業省
地域資源産業室
環境省
総合環境政策局 環境保健部 放射線健康管理担当参事官室
NPO等
認定NPO法人 国際協力NGOセンター
NPO法人 シーズ・市民活動を支える制度をつくる会
認定NPO法人 ディーピーアイ日本会議
認定NPO法人 日本NPOセンター
東京災害ボランティアネットワーク
「広がれボランティアの輪」連絡会議
一般社団法人 ユニバーサル志縁社会創造センター