現地会議
第9回 現地会議 in 宮城
登壇者の主な発言 資料等 開催概要
登壇者の主な発言
【全体会議】「解決策を探る」
青木淳 氏(公益社団法人 青年海外協力協会)
集団移転に関することなんですけども、課題として出てきたのが集団移転先で集会所だとか復興公営住宅の管理体制を住民主体で考えたり整えていく必要が出てくるだろうと。住民の人が主体的になって声をあげて活動していくということがすごく大事だなと。そんな中で私たち支援側としてはそういった住民の主体性を尊重したサポートをするのが大事なのではないかと。
話し合い全体を通して感じたのは、初動の部分が大事なんだなあという意見がありました。例えば被災をして避難所に避難した後に、避難所を被災した地区ごとに分けて避難していった結果、その後の仮設住宅に入るのも、その地区ごとに分かれて入っていって、そういった形があれば集団移転も地区ごとにうまくまとまった形で集団移転したりだとか。そういった人がまとまった形で議論がしやすくなってくるのかなと。かたやそうではなくて人や地区が分かれてしまってバラバラで避難して、バラバラに仮設住宅に入っていくと、まずそれを上手くまとめていくこと自体も、すごく難しい環境があるのだなというようなことも見えてきたことの一つです。
西本健太朗 氏(一般社団法人 みらいサポート石巻)
「周辺地域との軋轢」です。復興公営住宅や防災集団移転団地に新しくできた住宅と周辺のもともとあった既存の町内会との軋轢が起きてしまうんじゃないかっていう点について話し合いました。仮設住宅に入っている状態からそういう地区に入った場合、既存の方々とすごく壁ができやすい。例えば復興公営住宅だともう建物全部が被災して仮設住宅に入った人が入ってる。「あそこには全然関係ない元々住んでないよそ者が来る」というふうに地域の方はおそらく思ってるんじゃないのかと。
例えば「50人も60人も入ったのに、うちの区長のところには何の挨拶にも来ない。」とかそういう話があったりしたら、すぐに上手くやっていけなくなるんじゃないかなあということが懸念されるよねという話をしました。それに対して何ができるかということなんですが、一番大事なのはまずは新しく入る新規の住民さんと元々住まれていた地域の住民さんとがコミュニケーションをとれるような顔を合わせてお互いのことを知れるような場を作るということ。顔合わせてという話がすごく出てたんですが、そういった参加しやすい地域のイベントをやるであるとか、そういう取り組みをやっていかなきゃならないんじゃないかという案が出ました。
青木秀利 氏(社会福祉法人 岩沼市社会福祉協会 復興支援センター スマイル)
集会所、復興公営住宅の管理体制を住民主体で整える必要が出てくるというところでは、今、まだどこでもたぶんそんなにまだ整っていないとは思うんですけどもその中でやはりいろんな被災地、玄海島だったり中越の地震のとこの体制の話を聞いたり、行ってみるのも一つなんじゃないか、なんていうお話や、あと、自治会でやっていくのに伴い、自治会の手引きなんていうものもあればより一層やりやすくなるのではないかというところでした、けど、集会所の体制づくりを整えていくには、出来る前にみんなで行政だったり、住む住人が一緒になって考えて、作れればいいんじゃないかなんていうお話がありました。
集団移転における途中離脱の問題。こちらの方は移転する、はじめは「する」というところだったんですけどいろいろ進んでいくうちに、「やはり集団移転しない」っていう方のお話で。離脱するにも理由があるのではないかっていう話で、場所がだんだん抽選で決まっているのに場所が悪かったり、あとペットがここは住めなかったり、なんていうところで、やはり空きが出てしまった場合は、やはり募集を今後もかけていくのにお知らせを随時していった方がいいんじゃないかなんていうところと、そんなところで行政の方には、この現状をちゃんと伝えていくのが必要なんじゃないかなんていう話がありました。
山崎信哉 氏(石巻市大橋仮設住宅団地自治会)
周辺環境との、町内会との軋轢なんですが、始まりが大事じゃないかなと思うんです。やっぱり心配りがね。仮設のいろんなこう構造上とか、いろんな問題があるんですけれども、とにかく周辺地域との軋轢には、心配りが大事だと思います。私のところだけで言うといろんな仮設にはいろんな特質がありますので、全部がそうだよというわけではないですが、私の団地の前は通学路になってまして、ここに心配りをしたわけ、いろんな地域から集まってくるので迷惑をかけるのではないかと。仮設住民がね。元々の住民の方にね。そういう心配りから花をこう、置いて。そしてそれを周辺の自治会に伝えまして。あと役員会なんかでもそれを伝えてもらうと。あと、いろんなイベントには周辺からこう、案内をして呼ぶと。あと、参加して頂くとお礼状を出すとか、そういうことでやってきました。交流をしたってことです。それから設立総会のときにも案内状を出してまして、町内会長とか事務局長の方にも来ていただきました。そういう形で、始まりが、スタートが、大事だということじゃないかと。3年経過して、特に軋轢は全くなかったですね。お互いに。
蓜島一匡 氏(公益財団法人 共生地域創造財団)
現状は復旧に留まっている。理由の一つとしては、震災前に戻したい方々。特に高齢、実権を握ってらっしゃる方が戻すというところで、震災前の復旧というところをまず目指されてるところで、これがまた硬直化を生んでるのではないかっていうのがあります。最終的な帰結を先に申しますと、他地域からの人と知恵を集めてそれを活用する。ふたつ目として地域の人を主体化して活性化させる。この二つが帰結として挙がりました。
その中で硬直した状態をどう切り開いていくか。あとは地域に魅力が少ない中、若者であったりとか担い手がどんどん流出してしまってる状態が震災前もありましたし今もあると。何がそれを解決するかというとチャレンジができる状態、チャレンジした方々をサポートするっていうことが、地域に多様性を生んで担い手が生まれるのではないかということがありました。そのためには何が必要かというと、地域の人、外の人、あとは外部の方々をそれぞれコーディネートする役割をもつ人、もしくは団体でいうと、中間支援団体。宮城でいうと、みやぎ復興支援センターさんであるとかJCNさん等がそれを担う役割。もしくは地域で官民協働。官民学協働で行うハブのセンターみたいなのが必要じゃないかというふうな話になりました。
資料等
開催概要
タイトル | 4年目以降の被災地の復興を考える |
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日時 | 2014年02月18日(火)13:30 - 17:30 |
会場 | 花ごころの湯 新富亭 1階コンベンションホール (宮城県宮城郡松島町松島字垣ノ内38-1) |
プログラム |
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主催 | 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN) |
共催 | みやぎ連携復興センター 災害ボランティア活動支援プロジェクト会議 |
協力 | NPO法人 日本ファシリテーション協会 NPO法人 メディアージ |
参加者数 | 61名 |