現地会議
第5回 現地会議 in 福島
登壇者の主な発言
【開会あいさつ】
山崎美貴子(JCN)
苦難を共に歩みながら会を重ねさせていただいた現地会議ですが、短い時間ながら情報交換を持ち、つながりあって参りたい、先が見えない厳しい現状が3年目となり、どう生きていき、どう次の道へと探っていけるのか考えて参りたい。
【テーマ1】「知る」-いわき市の現状-
北爪英子 氏(社会福祉法人 いわき市社会福祉協議会)
社会福祉協議会の見守り活動では地区ごと、住居の形態ごとに支援の手厚さが異なる現状がある。被災者の現状は、経済的問題や家族の別離など様々な問題が一つの家庭に複合的に発生しており、深刻化している。笑顔を見るまで取り組みを継続し続ける。
長谷川秀雄 氏(3.11被災者を支援するいわき連絡協議会・みんぷく)
複合災害に向き合うにはNPOが連携する必要性がある。市は「復興」へ舵を切っているが、まずは放射能汚染を正しく評価し犠牲を最小限にすることへ重きを置くべきであり、一方で、復興に必要な人手が足りないということが、放射能汚染よりも深刻な問題である。
小松豊明 氏(認定NPO法人 シャプラニール=市民による海外協力の会)
避難者同士の交流の機会や生活支援に関する情報を得ることのできるスペースを運営してきた。NGOとして、当事者主体となって問題解決に取り組むことと、支援の制度から取り残された人々への対処を常に心がけている。
【テーマ2】「学ぶ」-住民感情に寄り添う支援-
草野紀恵 氏(社会福祉法人 楢葉町社会福祉協議会)
支援における格差の問題や、避難者と地元住民間でのトラブルの現状は深刻。その土地に帰りたい人と避難先で暮らしたい人、帰りたくても帰れない人など、様々な立場と思いの方々の交流の場が必要であり、実際に交流スペースに対するニーズが高まっている。
伊藤孝介 氏(NPO法人 フロンティア南相馬)
同じ南相馬市の中でも津波の被害の有無、原発による警戒区域内外といったに点で、賠償など支援の受け方に差異が出ており、それが軋轢につながっている。町の復興計画は地区ごとに計画が立てられているが、地区の壁を打破するために、しがらみのない若い世代や他地域の人びとの参加が必要であり、地域の担い手と将来の担い手の育成も必要である。
吉田恵美子 氏(NPO法人 ザ・ピープル)
委託業務を通して社会福祉協議会との協働に取り組んできた。地域からいわき市へ避難された方々の交流の場の設定、さらには、農業漁業関係者から避難者ではない市民まで、様々な立場の人びとによる顔の見える関係性造りが重要。
【閉会あいさつ】
天野和彦 氏(一般社団法人 ふくしま連携復興センター)
複合災害に向き合うには、現地会議のような機会に、皆で課題を持ち寄り、課題を現場に持ち帰り、取り組み続けるその繰り返しこそが、唯一の方法であると考える。
資料等
開催概要
タイトル | 複合災害に向き合うための支援のあり方 |
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日時 | 2013年03月12日(火)13:00 - 17:00 |
会場 | いわき産業創造館 企画展示ホールA (福島県いわき市平字田町120 LATOV 6階) |
プログラム |
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主催 | 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN) |
共催 | 一般社団法人 ふくしま連携復興センター NPO法人 うつくしまNPOネットワーク 災害ボランティア活動支援プロジェクト会議 |
協力 | 3.11被災者を支援するいわき連絡協議会 NPO法人 日本ファシリテーション協会 NPO法人 国際協力NGOセンター(JANIC) 社会福祉法人 福島県社会福祉協議会 |
参加者数 | 79名 |