現地会議
第3回 現地会議 in 福島
要約
【テーマ1】「学ぶ。」-各分野から見える課題の共有-
テーマ1では、黒澤氏(うつくしまNPOネットワーク)の進行で登壇者として4名の方をお呼びし、各々から次のようなコメントをいただきました。
栃本正 氏(大熊町自閉症児親の会「スマイル」)
震災以降、子どもたちが突然泣き出したり、声が出せなくなったりしている現実の課題と向き合っている。団体の存在意義がますます大きくなっている。昨年8月に広島へ皆で行き、はじめて子どもたちが「笑った」。しかし福島での生活は、仮設など狭くなった家での「家族」やバラバラになった「コミュニティ」の中で話し合う「場」が必要。皆が本当の笑顔を取り戻すためにまだまだ時間が必要。応援をお願いしたい。
池田和也 氏(NPO法人 土湯温泉観光まちづくり協議会)
人口450人・高齢化率45.3%の小さな町。旅館16軒中、すでに2軒が廃業、1軒が長期休業。ただしいずれも大手で、旅館全体としての収容は半減した。お客さんは7割程度戻ったが、特に県外からのバスが激減している。日帰りでも気軽に利用していただいたり、ネットで放射線量を公表して安全をPRしたり、再生可能エネルギーへの転換策を模索したりするなど、色々と知恵を出し奮闘中。風評被害は今後どれだけ続くかもわからない。本当に厳しい。
阿久津政信 氏(浪江町商工会)
B級グルメ「なみえ焼きそば」の取り組みが紹介された。ルーツは震災前に交流人口の拡大を願ったまちおこしの一環。バラバラになってしまった町民を元気づけたいと、ご自身が避難されている秋田ほか、全国に出向いてそばを宣伝している。町民からは「勇気づけられる」と言われる一方で、肝心の交流の場にも出てこられない人も。「誰かが直接出向いて本人と話し、一緒に考えて後押ししてあげることが大事」。焼きそばで起業したいという人があれば応援したい。
今井照 氏(福島大学 行政政策学類)
「消費」とは、たとえば浪江町とは関係なく焼きそばが居酒屋で売られたりして、復興支援とうたった部外者による金儲け=消費はいかがなものかということ。消費させない、風化させないために、とことん「福島」に向き合う覚悟。いかに福島の家族が分断されているかがアンケートでわかった(詳細は2月16日付朝日新聞)。「福島大学」だからできる「福島復興学」を東京で打って出る。しかしこの手のソフト事業には資金がつかない。協力してほしい。
【テーマ2】「知る。」-震災支援に役立つ最新情報-
テーマ2では、堀氏(復興庁企画官)より、2月10日に設置された復興庁の体制の説明を、城氏(中央共同募金会)より、災害ボランティア・NPOサポート募金の変更のご案内を、石井氏(福島県 県外避難者支援チーム)より県外避難者の状況と県の取り組みについて、ご説明いただきました。また、JCN代表世話人の栗田より、除染ボランティアを考えるとりくみについて経緯の説明を行いました。
【テーマ3】「つながる。」-ブース形式でつながりづくり-
テーマ3は「つながる」として、登壇者を中心に5つのグループに分け、さらに詳しい説明を受け、参加者とともに意見を交換しました。
資料等
開催概要
タイトル | 一周年を前に、改めて、被災者・避難者の声を聴く。 |
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日時 | 2012年2月24日(水)13:30 - 16:30(180分) |
会場 | 郡山市総合福祉センター5階 集会室 (福島県郡山市朝日1丁目29-9) |
プログラム |
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主催 | 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN) |
共催 | ふくしま被災者支援ネットワーク(絆ネット) |
協力 | NPO法人 日本ファシリテーション協会 NPO法人 アワープラネット・ティービー |
参加者数 | 140名 |