東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)

現地会議

第3回 現地会議 in 宮城

宮城県での3回目の現地会議は、「みなし仮設・在宅避難者への支援を考える。」をテーマに、松島町で開催しました。
要約 資料等 開催概要

要約

【テーマ1】「学ぶ。」-開催地を中心に、宮城県内の支援の状況を知る-

テーマ1は、佐野氏(みやぎ連携復興センター)がコーディネートを務めました。

木村氏(東松島まちづくり応援団)からは、在宅被災者の方々に対して一軒一軒地図にマークしながら訪問されつつ、一方で仮設・みなし仮設の方々にもいずれ元の地域に戻られる(戻ってきてほしい)方へのケアは不可欠だという認識で活動されている状況を説明を受けました。

本間氏(南三陸町健康福祉課福祉アドバイザー)からは、230名もの地元の支援員を雇用し、支援ではなく寄り添うこと、二人称ではなく三人称、そして2年後には「用無し」になるくらい地域が復活することを目標に、日々地元主体で頑張っておられる様子をお聞きしました。

立岡氏(PSC)からは、復興の本丸ともいうべき「就労」の機会創出もにらんでの日々のきめ細かなサポート体制の報告がありました。

【テーマ2】「深める。」-先進事例から支援の在り方を探る-

テーマ2では、JCNの栗田のコーディネートで進められました。

福田氏(東京災害ボランティアネットワーク)からは、2000年の三宅島噴火災害で村民が全島避難を余儀なくされた際の住民相互の電話帳づくりやファクス通信によるニュースレターの送信などが紹介されました。特にファクス通信は、バラバラに居住することになった約1,300世帯を地域単位で250班程度に分け、その班長さんが回覧板のようにコピーして手渡ししながら、互いの健康状態や暮らしぶりを確認し合った事例が印象に残りました。

藤本氏(元石川県仮設住宅生活援助員)からは、2007年能登半島地震で、自身も自宅が全壊し仮設に入居されつつ、生活援助員として2年間ほぼ毎日一軒一軒まわって「顔の見える関係を通り越して心の通う関係」を築いたこと、ボランティア受け入れの窓口としても積極的に対応されたことなど、まさに被災者本位・住民主体の実践を紹介いただきました。

佐藤氏(栗原市社会福祉協議会)からは、2008年岩手・宮城内陸地震の被災者の「場づくり」、特に「お茶飲みながら」「神戸からのひまわりの種を袋につめながら」・・・など、「~しながら」というあまり堅苦しくない場を考えつつ、また被災された方もそうでない方も一緒にいられる環境整備にも配慮された事例などが紹介されました。

【テーマ3】「つながる」-顔の見える関係づくり、具体的な連携のきっかけづくり-

上記の登壇者を中心に4つのブースに分かれて、さらに詳しい説明をいただき、参加者間で意見交換し合いました。大震災からまもなく1年。他地域や過去の事例に学び、各現場でしっかり考えて、今後とも息長くできる支援の在り方を真剣に語り合う場となりました。

資料等

開催概要

タイトル みなし仮設・在宅避難者への支援を考える。
日時 2012年2月14日(火)14:45 - 18:00(195分)
会場 花ごころの湯 新富亭 コンベンションホール
(宮城県宮城郡松島町松島字垣ノ内38-1)
プログラム
【情報提供】「知る。」
-政府・各種団体からの情報提供-
羽多野一磨 氏(復興庁)
阿部陽一郎 氏(社会福祉法人 中央共同募金会 企画広報部)
北川進 氏(社会福祉法人 宮城県社会福祉協議会)
【テーマ1】「学ぶ。」
-開催地を中心に、宮城県内の支援の状況を知る-
立岡学 氏(一般社団法人 パーソナルサポートセンター・PSC)
本間照雄 氏(南三陸町健康福祉課・東北大学 文学研究科 社会学研究室)
木村正樹 氏(NPO法人 東松島まちづくり応援団理事・東松島復興協議会)
[コーディネーター]
佐野哲史 氏(みやぎ連携復興センター)
【テーマ2】「深める。」
-パネルディスカッション-先進事例から支援の在り方を探る
福田信章 氏(東京災害ボランティアネットワーク)
藤本幸雄 氏(元・石川県仮設住宅生活助員)
佐藤一繁 氏(社会福祉法人 栗原市社会福祉協議会)
[コーディネーター]
栗田暢之(JCN)
【テーマ3】「つながる」
-顔の見える関係づくり、具体的な連携のきっかけをつくる-
[ファシリテーター]
遠藤智栄 氏(NPO法人 日本ファシリテーション協会)
主催 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)
共催 みやぎ連携復興センター
協力 NPO法人 日本ファシリテーション協会
被災地をメディアでつなぐプロジェクト『笑顔311』
参加者数 180名