広域避難者支援ミーティング
第1回 広域避難者支援ミーティング・全国版
開催概要
日時 | 2013年7月24日(水)14:00-17:30 |
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会場 | TKP大手町ビジネスセンター ホール4A (東京都千代田区内神田2-1-1) |
内容 |
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参加者 |
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主催 | 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN) |
協力 | NPO法人 日本ファシリテーション協会(FAJ) NPO法人 メディアージ |
参加数 | 76団体(120名) |
資料
発言要約
オープニング
山崎美貴子(JCN代表世話人)
本日のテーマは「ネットワーク」。2年4カ月が経過したが、まだ先が見えない中で支援活動が続いている。ネットワークの内には、それぞれに考えがあり、立場が違う方々がいる。ネットワークで「できること、できないこと」を、率直に語り合い、学び合い、支え合い、前に向かって進むために、お互いに現実をさらけ出し、語り合う時間と空間にしたい。
プログラム1「パネルディスカッション・前半」|活動概要
本間紀伊子 氏(みちのく会|北海道)
2011年4月に100名くらいの避難者がいると聞いて、どこでどうしているのか気になり、活動を始めた。現在の会員数は約1,500名。福島県から7割、母子世帯は7割、移住を覚悟している人が多いことが北海道の特徴。当初より道と市(行政)と連携しており、今は道の事業を地元の「あったかい道」と共にコンソーシアムを組んで受けている。ひとつのテーブルに様々な主体が集まり、必要なことを考えることができている。
福田信章 氏(広域避難者支援連絡会 in 東京|東京都)
東京災害ボランティアネットワークは、2000年の全島で避難された三宅島の方々の支援をした経験がある。昨年の秋までは被災地で支援活動をしていたが、その後、東京の避難者支援の活動を始めた。実際の支援活動の場に足を運んだが、情報交換の機会がほしいという声を多く聞いた。それを受けて、JCNと共に3月、広域避難者支援ミーティングin東京を開催した。東京には団体数が多いこともあり、地域や分野を超えて情報交換をすることがなかなかできない。一緒に悩みながら考えながら、情報交換できる場づくりを継続的にやっていきたい。
はっとりいくよ 氏(うけいれネットワーク ほっと岡山|岡山県)
私たちのネットワークは、避難者支援、保養プログラムなどを実施しながら自然とつながってきた。岡山の住民の方と岡山に避難した人たちが一緒になって立ち上げたグループがいくつもあり、避難した人たちが支援にまわるなど、柔軟に活動してきている。各団体はネットワークに入る前から、住宅支援、生活物資支援、就労支援など、一人ひとりに応じたサポートを、臨機応変にしてきた。行政は移住支援という名目で柔軟に対応しているが、避難者・被災者の支援という側面も忘れないように働きかけをしている。
プログラム1「パネルディスカッション・後半」|課題・展望
本間 氏
多様化するニーズに答えるために、事務局機能を充実させたいと思っている。道内への避難者の半分は札幌にお住まいだが、道内全域にわたって、市町村の状況を把握していきたい。避難者自身のモチベーションで自立できるような支援が必要だと感じている。行政と連携しながら、避難者の選択肢を広げていけるようにしていきたい。道民をはじめいろんな方と交流を設ける場をつくっているが、最近は同じ地域に住んでいる人たち同士、という感じになっている。まだ出会っていない避難者もいるはず。見守りなども意識して、コミュニティの場をつくっていきたい。
福田 氏
一方的な意見だけではなく、いろいろな意見を聞くためにも、もっと避難者と話をする必要があると感じている。情報交換する場をつくることだけではなく、一緒にアクションを起こすことも意識したい。都内もいくつかの地域では、既存の住民組織とつながりができているところもあるが、できていないところもある。支援者が間に入りながら、うまく当事者団体同士がつながれる場づくりをしていきたい。
はっとり 氏
まだまた複雑な状況である。それぞれの立場を尊重するためには丁寧に接していくことが大事だと感じている。ネットワークがつながること、情報を流通させることだけを見ても、まだまだできることはある。多岐にわたる専門的な方たちとの連携も必要。岡山の中間支援組織の理解を得ていきたいと思っている。避難者同士、避難者と支援者、避難者と住民、それぞれのネットワークづくりを模索している。他の地域の状況も耳にいれながら、応用が効くところもあると思う。
栗田(JCN代表世話人)
当事者であろうと、支援者であろうと、課題は共通するものがあると思う。個々人の選択を尊重し合うことからスタートしないと何も始まらない。お互いの立場を尊重しあう土壌が必要である。今なにに困っているのか、知るためには会話の場を増やしていく必要があり、交流会だけでなく、専門家、自治会など様々な関わりを増やすため、網の目を細かくする地域の取組が求められている。本日集まっている方々が主体となりながら、賛同者、理解者を増やしていくことが重要でそれがネットワークではないかというヒントを得たと感じている。
プログラム2「グループディスカッション」
プログラム2「地域別リレートーク」
北海道(みちのく会)
震災をきっかけにこれまで接点のない人たちとも会ってきた。これからは道民ともつながりたい。北海道の人たちにとっても、北海道に避難してきた人たちがいてプラスになるというネットワーク作りを続けていきたい。
東北地方(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)
ニーズが多様化しているなか、アプローチが難しい。受け入れ先と避難元の二重構造。それぞれの課題を整理する必要がある。支援法という枠組みを使いながら。その網からも抜け落ちる人を民間がどう柔軟に支援するかということが重要である。行政情報ではカバーできない細かな現地の情報について、地元で活動している支援団体を利用してもらいたい。
関東地方(ふうあいねっと)
ネットワークはスゴイ。個人的には個人情報保護法の運用について気になる点があったが、保護法が壁になるのではなく、行政と民間が思いを持って共通の課題の元、うまく運用をしている地域もあるということが分かった。
北信越地方(NPO法人 新潟NPO協会)
新潟県の避難者は福島県の方々がほどんでで、支援活動も進めやすい側面があった。この活動を県内で進めながら、新潟モデルを各地に発信していく、ということが新潟県内では合意形成できている。また、支援者だけではなく、避難している当事者団体のネットワークも各地に広げていく必要がある。
東海地方(みえ災害ボランティア支援センター)
東海から西日本の地域は、避難者が日帰りできないという意味で、なにかしら共通する課題があると思っているが、一人ひとり状況が違うので、統一した支援施策はうちにくい。一人ひとりに寄り添う支援だが、予算も厳しく疲弊しているので、日常的な取組み、子育て支援や高齢者支援の団体などとも連携しながら、県域を越えた仕組みが作れないかと感じた。
近畿地方(滋賀県内避難者の会)
ネットワークの広がり、深みが出てきていると感じる。つながって問題を共有するところまでは出来つつあるが、国がほっとけないというネットワークまで行く必要がある。もう一声のところ。JCNの動きには改めて拍手しながら、更に一歩進めていきたい。
中国地方(とっとり震災支援連絡協議会)
西に行くほど避難者は少なく、市民から理解されにくく、周りの空気が悪いというのが共通認識。支援団体は啓発が必要だろう。受け入れ先では雇用の確保が難しい中、継続的な雇用確保ができるよう国に対しても政策提言していきたい。中国では中国5県ネットワーク会議を企画している。四国でも4県会議が行われている。次の段階としては中四国で一緒にネットワークを組んで政策提言することも役割ではないか。
四国地方(NPO法人 えひめ311)
四国に避難者は少ないが、支援は必要。小さなか声を聞きながら頑張っていきたい。頑張りましょう。
九州地方(東日本大震災被災者支援ふくおか市民ネットワーク)
同じような思いと悩みをお持ちの人がこれほどいるかと実感。地域も立場も違うが、情報の共有をもっとしていきたい。九州には避難者の団体が立ち上がっているので、柔軟に情報と活動領域を伝えていければ、更に輪が広がる。地元への経験値のフィードバックを視野に入れつつ、ご縁のつながりを広げていきたい。
沖縄県(福島避難者のつどい 沖縄じゃんがら会)
「なんくるないさ」とはならない。自立を目標にしたいが、自立までに必要な支援をどう確保すればいいのかを考えている。みなさんと協力して、いろいろ見つけてがんばっていきたい。
エンディング
田尻佳史(JCN代表世話人)
想定以上の多くの方にご参加いただき、非常に熱気のあるミーティングとなった。課題は多様で、まだまだ解決できていないことが山積していると感じた。報告にもあったとおり、北海道から沖縄まで集まると地域の違いも見えてきたが、こうしたものを「見える化する」こともネットワークの役割と感じた。今後は地域で頑張っていただいて、半年後の来年3月には、再びいろいろな情報を持ち寄っていただける場を持ちたいと思う。
記録写真
配信映像
- 【オープニング~プログラム1】
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Video recording by NPO Mediage - 【プログラム1-3~クロージング】
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Video recording by NPO Mediage