東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)

広域避難者支援ミーティング

広域避難者支援ミーティング in 北海道

北海道で初めての開催となった本ミーティングは、北海道の避難者と避難者を支援する団体の現状、課題、取り組みなどを共有し、課題解決に向けて避難者同士や地域住民とのつながりの方向性や可能性を考える場として開催しました。
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開催概要

日時 2014年10月17日(金)13:30-17:00
会場 北農健保会館 2階エルム
(北海道札幌市中央区北4条西7丁目1-4)
内容 開会あいさつ
篠原結城子 氏(北海道 総合政策部 地域づくり支援局 地域政策課 道外被災地支援グループ)
1. 北海道の状況の把握
1-1. 話題提供
金栄知子 氏(北海道NPO被災者支援ネット)
本間紀伊子 氏(みちのく会)
1-2. 意見交換
2. これからの取組みについて
2-1. 話題提供
福田信章 氏(東京災害ボランティアネットワーク)
2-2. 意見交換
閉会あいさつ
本間紀伊子 氏(みちのく会)
北村美恵子 氏(NPO法人 北海道NPOサポートセンター)
主催 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)
共催 みちのく会
NPO法人 北海道NPOサポートセンター
参加数 21団体(30名)

資料

意見交換会の内容

(1) 北海道の避難者・支援団体の現状や課題について

【避難者の現状や課題】
  • 定住を決めた人とそうでない人の課題が異なってきている。
  • 3年を経て、支援される側から支援する側になる人も出てきている。
  • 家族避難と母子避難で状況に違いが出てきている。家族避難では生活困窮が大きな問題となっており、母子避難では、母子ともにメンタル面での問題が表出している。母子ともに一緒にダウンするケースも出てきている。
【支援団体の現状や課題】
  • 最近は課題が個別具体化しており、特化した支援が必要とされてきている。一方で、相談窓口を設置するもなかなか相談がこない状況でもある。
  • 避難者へ情報を発信し続けていたところ、今になって避難者から連絡があったケースもあり、継続することの重要性を実感した。
  • 当事者団体が活動する上でのジレンマとして、支援活動自体は継続したいが、自分や家族の時間も大事にしたいという思いが生じ始めてきた。
  • 道民の寄付で支援活動を行っているため、いつまで維持できるかわからず、先行きが不安である。
  • 雇用に関する制度や支援が少ないと感じている。
  • 母子避難では、母親が入院、病気になったときは、誰も子どもの面倒見ることができず、託児支援の必要を感じている。
  • 避難者の自殺問題は、今の日本の問題ともつながるところがある。
  • 自治体によっては積極的に受け入れの姿勢を見せており、避難者が溶け込みやすい環境をつくろうとしている。
(2) 避難者、支援団体、地域住民とのつながりの方向性や可能性について
  • 保養を継続することで、地域のお祭(盆踊り大会)が復活するなど、地域活性にもつながった。
  • 健康問題などは専門家による支援が必要であるため、専門家とのつながりが必要である。
  • 北海道には農業を引き続きやりたいという理由で避難してくる人もいるが、制度がハードルとなり、思うように農業に従事することができず、制度行政とのつながりが必要と考えている。
  • 避難者、支援団体、地域住民という区分をすること自体がつながるハードルになっているのではないか。もっと違うかたちでつながりを考える必要がある。
  • 交流などに出て来ない/出て来られない方の孤立化を防止するためにも、つながる必要がある。
  • 各人が今日の話を持ち帰り、伝えていくことでつながりを作ることが大切である。
  • 東京で実施しているバディ制度は個別具体化している課題を解決していくために、北海道でも適用できるのではないか。
  • 肩書のない人、おせっかいな人のような身近な存在として関わることで、外につながることができるのではないかと感じている。
  • 避難者、支援者の関係の他にも、趣味や仕事などでつなげる人を作ることも大切と考えている。
  • 友達のような人を増やしたいが、いきなり会っただけでは難しいため、そのきっかけを作り出すことが支援団体(者)として必要なことではないか。
  • 北海道は物理的な距離もあるため、つながる上でハードルになる場もある。
  • 避難者ではなく、ごく普通の地域住民として、地域住民とつながりたい。
  • 支援団体(者)でない人からの声がけが心地よいと感じることもある。

記録写真

配布資料