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鳥取県智頭町の避難者支援の例から思うこと

鳥取県東部南端の智頭町には避難者としての登録をしていない家族が私知るところだけでも2家族いる。このうちの一家族は関東からの自主避難者であるが、パン製造等の店舗を町内に開業し、家族だけではなく複数人数を雇用して順調に商売を行っている。

この家族への智頭町の支援は所謂「避難者支援」ではなく、「移住者」または「起業者」への支援である。まずは開業にあたり閉園となった町立保育園の園舎・グランドの安価での貸与、開業にあたって必要な資金の補助、またお店のある集落の自治体などとの融合のための斡旋を行った。

故に、地元集落ではこの家族に対して「避難者」という認識はなく「移住者」として受け入れ、接していることを感じた。もた、この家族も「避難」を表には出さずにあくまで移住と起業を前面に出し生活している。

この形態は、避難者の一つの定住成功例として評価してもいいと思っている。このような形態の支援を見ていると、支援団体の在り方も、その避難者の状況・意欲・スキル等に応じて柔軟に且つ広範に支援を行っていく「力量」が求められているのではないだろうか?その辺りで、行政と連携を考えていくならば「支援策」も多岐に亙るものが用意されているし、行政も支援を行いやすいのではないかと考える。

そこで大切になってくるのが「避難者」の自立へ向けた直接的支援なのでないだろうか。生活に寄り添い、精神的にも寄り添ってきた支援はこれからも大切なものであろうと思うが、そのの支援にこの「自立力」を付けるための支援が加わってくれば少なからず「自立」し「定住」する避難者がいるのではないかと思っている。

福井正樹