支援情報が届く「全国避難者情報システム」を活用しよう!
避難されているみなさんの自宅には、それぞれの受け入れ自治体から「支援情報」が毎月届けられているでしょうか?関西では、和歌山県、奈良県、滋賀県から毎月、京都府では毎月第二、第四週に。大阪府では大阪府下避難者支援団体等連絡協議会(ほっとねっとおおさか)から毎月10日前後に各市町村へ配送、各市町村から大阪府下の避難者のみなさんへ届けられます。この配布に使われているのが「全国避難者情報システム」です。
※総務省:全国避難者情報システムシステムについての説明
避難者支援情報をお求めの方は「全国避難者情報システム」に登録を
20年前の阪神淡路大震災後に県外避難した兵庫県被災者に支援情報が届かず、避難者は復興の道のりから置き去りにされていきました。正確な県外避難者数は、今もわからないままです。
その失敗を繰り返さないために総務省が東日本大震災後、導入したのが「全国避難者情報システム」です。関西ではシステムの登録は、主に住宅支援を申請するときに受け入れ自治体から説明されていました。しかし自主的に民間賃貸住宅に避難した人は登録の機会を与えられないまま避難生活に突入することになります。それは支援のつながりを作れないまま避難生活がスタートすることになり、避難生活の孤立化へとつながっていきます。今も「初めて支援が関西にある事を知った!」と支援情報を受け取ってびっくりされる人にお目にかかります。また、マスメディアや被災県が「避難者数」と発表する際に、この「全国避難者情報システム」の「避難者数」が使われています。避難者数は毎月更新され、復興庁のWEBサイトで閲覧が可能です。
復興庁:全国の避難者等の数(所在都道府県別・所在施設別の数)
しかし、システムを知らない人も多いため、東日本大震災の県外避難者数は、実際と大きく違っている事が課題になっています。ある日の関西の交流会では参加者全員が登録していませんでした。存在そのものを知らない人が今も数多くいるのです。
避難者支援情報が届かない方は
私たちは、インターネット、スマートフォン、テレビ、ラジオといつも無料の情報に囲まれているという漠然とした安心感を持っています。しかし避難者支援情報を受け取ること、届けることは、実際にはとても難しいのです。
避難者がシステムへ登録のためには、避難者自らが避難先市町村へ向かい、窓口で登録用紙に記入しなければなりません。また、窓口が統一されていないので、府県の市町村によって窓口は様々です。受け入れている関西の自治体の担当課以外の担当者が知らない事もありますが、担当課の担当者もシステムそのものを知らないこともあります。登録まで数時間、数日かかることも。また、登録先で登録したはずでも、各自治体でシステムやリストを更新せず、避難者へ支援情報が届かないこともたびたび起きています。市区町村の担当者がシステムの用紙を倉庫に眠らせていたケースや、本人の同意なく、引っ越し後は配送を打ち切っていたケースもあり、情報が届かず困惑しているという声は途切れる事がありません。
「全国避難者情報システム」に登録するメリットは?
システムに登録すると、毎月、受け入れた関西の自治体から「支援情報」の定期便が届くようになります。市民団体や専門家等が、毎月の支援イベントや、生活や暮らしの相談会、交流会の案内を受け入れ自治体に届けています。その支援の案内や、被災県からの新たな支援策も届くようになります。システムに登録しておくことで、サポート情報を受け取ることが出来るのです。システムの個人情報は各自治体が保管しています。
【夏に大阪駅前で行われた避難者相談会では、福島県と関西広域避難者支援センターがシステムの説明や登録を行っている。】
【総務省が震災後に配布していたポスター】
【全国避難者情報システム用紙】