高校生座談会に参加してきました
この1年間、地域調整員として当事者の方が中心で開催している交流会や避難元の地域別、同じ趣味を持つ仲間同士、専門家に相談できるものなど、様々な集まりに参加させていただきました。そんな中、東日本大震災によって東海地方に避難してきたり、被災経験があったりする高校生による座談会が2月にありました。
呼びかけ人は2年前に宮城県から親御さんの転勤によってこの地方に来た高校1年生の女の子。仙台で暮らしていた時は、みんなの日常にあった震災が、引っ越し先では何もなかったかのような日々。そういった現状に疑問を感じ、「震災を忘れてはいけない。経験した自分だからこそ、伝えられることがあるのではないか」という思いから、「同じように震災を経験した同世代の子と一緒に何かできないかを考えたい」と、開催に至ったそうです。当日は、呼びかけ人含め8人の高校生が集まりました。
「避難することになった時の気持ちは?」という話題では、「お母さんがピリピリしなくなるなら、避難してもいいと思った」、「小さかったし何も分からない中、ガラスバッジ(個人線量計)を付けたり、ちょっと外に出るにも行き先を親に伝えなくてはいけないことが本当に嫌だった。その煩わしさがなくなるならいいと思った」、「当時もいじめ問題をテレビで見た。自分も避難したらいじめられるかもしれないなと思ったけど、それも仕方ないと思った」などの声がありました。今回の参加者で避難によるいじめを受けたという子はいませんでしたが、避難先で辛い経験をしたため話したくないと、参加を辞退した子もいたとのことです。
参加した子たちは、震災当時は小学4年〜6年生。突然起こった震災と原発事故により仲の良かった友だちに別れの挨拶もできず、携帯電話も持っていないため行き先も告げられないままでした。「(友だちとの)奇跡の再会があるかなと思って座談会に参加しました。」と、ある子が発言した時、みんながとても共感していたのが印象的でした。「こっちに来てヤンキー(茶髪の子ども)がいてびっくりしたよね」、「成人式は避難前にいた故郷?それとも友人が沢山できた今の場所?」など、その年代ならではの話題でも盛り上がっていました。避難先での交流会等では、自分たちより小さいお子さんの相手をすることが多く、震災や避難についてじっくり話もしたことがなく、友だちに震災のことを聞かれても「大変だったよ〜」と、軽い感じでしか話さず、こんな風に話をしたことがなかったというお子さんもおり、子どもたちが話せる場の大切さを感じました。また、避難者の方の状況はお一人おひとり異なるため、それぞれが気軽に話せる場があるといいなと改めて思いました。