避難者支援活動を支える
私たちNPO法人あきたパートナーシップは、NPO中間支援団体として、秋田県ゆとり生活創造センター「遊学舎」を指定管理し、NPOの相談や支援を通し市民活動の推進に取り組んでいます。
震災発生直後には、被災地へのボランティア希望の声や支援物資の収集の相談、また徐々に増えて来た秋田へ避難されてきた方々の相談を受けながら、私たちは何ができるのか、何を必要とされているか手探り状態のなかで、できることから支援を続けてまいりました。また、市民活動を資金面で支援する認定NPO法人あきたスギッチファンドの事務局として、企業や市民、行政などから寄付金を集めて社会の課題解決に取り組むNPOやボランティア団体等に助成を行う市民ファンドを運営しております。
震災発生後、このファンドに、県内の企業や市民、行政などから約2千万円の寄付が寄せられ、平成23年5月に東日本大震災活動支援助成事業が始まり、平成26年7月まで3年間で47団体へ助成を行いました。これまでの助成団体の事業内容をみてみますと、震災発生直後は被災地へ出向いての活動支援が多かったのですが、昨年あたりからは支援に変化が出始め、避難者の自立に向けた支援や生活に密着した支援が目立って来ています。例をあげますと、秋田に避難してきた方々が、慣れない土地での移動のお手伝いをしたいとNPOが「お出かけ支援事業」として、通院や買い物、子どもの行事などに車での送迎を行い多いに利用してもらっています。また、福島県出身の秋田の大学生たちが、避難してきている子どもたちのための学習塾「きびたきの家」を開設し、学習面だけではなく子どもたちの良き相談相手にもなってくれています。
また福島原発事故をきっかけに秋田に避難してきた母親たちが自分たちで団体を立ち上げ、有機農法での野菜作りや農業体験、季節の交流イベントの開催、子どもたちの学習と遊び場の提供など自分たちで企画し活動をしている「秋田避難者親子の会」、この事業には県内のNPOやサークル、企業などが専門的な部分で支援を行っています。
当法人でも施設利用者を中心に「秋田避難者親子の会」のボランティアを募ったところ個人64名、企業を含む14団体が登録をしてくれました。4月にはボランティアさんの研修会とお花見交流会も開催され、本格的に活動が始まりました。
震災発生時、秋田県は同じ東北でありながら直接的な被害は殆どなく、大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の各県のみなさまには心苦しく、申し訳ない気持ちで一杯でした。同じ東北に住むものとして、避難者の方々に寄り添いながら、多くの人に関わりを持ってもらいながら、「忘れないよ」を伝えていく役目を担って行きたいと思います。
避難者子ども学習塾・きびたきの家の学生たち
秋田避難者親子の会・ボランティアさんとの研修会と交流会
遊学舎