震災を風化させない~学生支援サポーターの思い
今年度から本事業の担当になりました、NPO法人あきたパートナーシップの石野と申します。
秋田県内に避難している小中学生の子どもたちに、『子ども支援サポーター』として学習支援を行う大学生たちの活動をお伝えします。
現在、『子ども支援サポーター』は秋田県立大学(本荘キャンパス)と秋田大学の学生17名が持ち回りで担当しています。両大学にはそれぞれ東日本大震災の被災地復興支援を目的とした「UP←A」、「AKITAID」というボランティア団体があり、サポーターはそのメンバーでもあります。
8月27日、秋田県避難者交流センターで行われた学習支援には、中学一年生と小学一年生の兄弟がやってきました。この日の担当サポーターは、秋田県立大学の男子学生2名。子どもたちの勉強の予習を手伝ったり、トランプで一緒に遊んだりする様子は和やかで、どこか家族のようにも見えます。お二人とも活動を始める前は「避難者」という立場の子どもたちにどう接してよいのか分からず、不安で緊張したそうです。しかし、実際に活動を始めてみると子どもたちはとても明るく、一緒に過ごす時間が楽しい。子どもたちの「ありがとう」・「また来てね」といった言葉や笑顔に、「逆にサポーターの方が励まされている」といいます。
『子ども支援サポーター』の中の一人の学生さんは、ご自身が幼い頃に両親の仕事の関係で幾度か転校をくり返した経験があり、活動するうえで「避難のために転校せざるをえなかった子どもたちの気持ちに寄り添いたい」と考えています。7月に行われた「みんなで創ろう夏祭り2016」では大学の仲間とともに、避難者の子どもたちとスノードーム作りをしました。「転校で淋しい思いをしている子はいないかな?もしいたとしたら、少しでも一緒に楽しんで喜んでもらえたら嬉しい」そんな気持ちを込めて、ジャムやお菓子などの空き瓶を利用した可愛いスノードーム作りは子どもたちに大好評でした。
先の学生たちは被災地を訪れ、ボランティア活動や現地の人たちとの交流も経験しています。「震災を風化させないで」という現地の人たちの声を直接聞き、人と人との繋がりの大切さについて身をもって体験した彼らは、今後も『子ども支援サポーター』をはじめとする避難者支援活動を続けながら、「震災が風化しないように伝えていきたい」と話していました。
【秋田県避難者交流センターで行われた学習支援の様子】