愛媛県内避難者支援情報交換会
平成27年6月18日第4回愛媛県内避難者支援情報交換会を行いました。この情報交換会は、えひめ311の活動がスタートした翌年から、年に2回または3回実施しています。関係団体ということで、行政機関担当者や社協、NPO団体、移住関係機関、NPOの中間支援組織、生活困窮者関係の総合相談窓口、保健所、関西学院大学災害復興制度研究所など、色々な機関に広く声をかけ開催しております。情報交換会の開催の目的は3つ。
- 避難者へ関心を持ち続けていただく。
- 避難者へ途切れない支援を実行するため、地域で支える仕組みづくりの検討。
- 避難者支援団体のネットワークづくり。
関係部署で集まると、こんな会話が『えっつつつつつつ、そんなことできるんですか』といろんな所で聞こえてきます。この情報は目からうろこです。お互いの活動の強み弱みを知ることで、連携が生まれ、いつの間にかチームとなる。そんなきっかけとなるような情報交換会を目指しています。
では、第4回の情報交換会の様子をお話したいと思います。参加者は全員で9名。平成27年度になり、なっなんと、行政機関は全ての方が一気に異動となったことで、初の顔合わせです。緊張の中、始まりましたが、参加者のみなさんのこの会へ期待する言葉などをいただき、よい雰囲気でスタートしました。行政機関の1人の方が、大学が仙台で、福島にも仙台にもたくさん友人がいて、あの日(2011.3.11)は、本当に心配しました。と話してくれ、ぐっと距離が縮まりました。
まずは、えひめ311からということで、今年度の事業計画、訪問活動の時の避難者の様子、福島の今後の支援内容の見直しについてなど話題提供を行いました。昨年度から行っている訪問活動カルテ(避難元・避難先・相談内容・アセスメント等を記入した用紙)をまとめたものを配布し、参加者で共有し、避難者の現状を見ていただきました。そうすると、質疑応答が始まり、途絶えることなく、いつの間にか、ケース検討と流れていきました。やはり、事例など分かりやすいデーターがあれば、話が深まり、『この人をどうしよう』と個々へ注目します。実際に訪問に行ったときの様子を細かく話すと、きっと、避難者の様子が想像できたのでしょうか、質問が飛び交います。これこそが、私たちの目指す地域で支える仕組みです。避難者との接点が少ない方たちには、避難者の状況が分からないのは、当たり前です。そこのつなぎ役、避難者の翻訳係りが、私たちの役目なのかもしれないと気付かされました。行政の相談窓口にやってくる避難者は、ごく一部。相談にいけない人の方が多いという現実を受け入れないと何も前に進みません。もっと、もっと言うと見守り訪問でも会える人は四国の避難者数の4分の1。そのほかの方は、会えません。その中に声を出せぬまま苦しんでいる人がいたらと思うと、もっと違う支援の形を作っていかなければということになります。愛媛県内の避難者支援の体制を作っていくのは、私たちだけでなく、みなさんとの連携がなければ作れないことも話させていただきました。今年度は今までに無く、愛媛県内避難者支援関係者チームいい感じです。力を合わせ、1つになれそうな予感がしています。
参加者の声
- 保健師さんより:
- たぶん、心が健康であれば、いろんな情報を提供することで、今後のことを自己決定できると思うが、おそらく心が元気じゃないので、まずは、心の健康の底上げが必ず必要だと思う。皆さん普通に生活してこられてきた人たちばかりだと思うので、考え方を支えてくれる人、寄り添える人、安心感を与えてくれる人と場所があれば少しその人の力が上がるのではないかと思う。行政どうしで情報をもらってそれを発信することはできると思うが、なかなか細かい生活のところのレベルになるとどうしても政策的なところがメインになってしまう。それをうけて福島の自治体とやりとりをしてくれる人がなかに入ってもらって、みんなが少し得意な部分を担いながら支えていく支援がでてきたらよいのではないのかなと思う。平成29年の3月に支援が打ち切られるのなら本人たちの気持ちもあと何年といったラインが頭に入ると少し気持ちの持ち方も変わってくるのでそのあたりを後押しという形で出来たらよいと話を聞いていて感じた。
- 社協さんより:
- 避難者だから地域が関わるという見方をするから、個人情報のこととか問題がでてくるが単純に地域で困っている人を支えることは何の問題もない、地域に情報を落とさなくても社協に言ってももらえれば、民生員に避難者ということを考えてもらって、行ってもらうとか、サロンに来てもらえるように声をかけたりとか、地元ならではの付き合い方が出来るんじゃないかなと考える。
- 愛媛県避難者支援担当者さんより:
- 昨年度のアンケートにも行政にたいしては住宅の確保のところに要望があるということで、住宅支援は続けさせてもらっており、これは平成27年度も続けている。県内の県営で住宅や県内市町の公営住宅を提供させてもらっている。また、4年という年月が流れているので直接、避難してくる件数は減ってきているがもうすでに避難されている方が移りたい等の話の窓口で直接の担当は公営住宅の担当の建築住宅課が直接のやりとりはすることになるが窓口対応ということで保健福祉課が窓口としてつなぐので何か個別のことがあれば連絡してもらえれば相談にのらせてもらいます。愛媛県の場合は災害救助法を適用していない。職員住宅などの県の所有しているもので対応した経緯がある。そういう経緯があるので国の方針が問題になっているがそのような動きとは違う動きをすることになるかもしれない。愛媛県は愛媛県でどうするのかを考えるようになると思う。どうなるかは分からないが国とは違う動きをする可能性がある。