避難から移住・定住への動き
こんにちは!一般社団法人市民ネットの代表理事を務めています、飯田です。
震災が発生した2011年3月末の時点で、福岡では既に400名以上の方々が避難生活をしていました。現在では、行政が把握しているだけでも700名前後、把握しきれていない人や、元々移住マインドをお持ちだった多くの方が震災を機に福岡へ来ています。
私自身、震災とは関連しませんが東京から仕事の転勤をきっかけに、10年前に福岡へ移住してきた一人でもあります。元々、転勤族がそのまま定住するケースが多い地域でもあり、九州では中心的な都市経済圏でもある事から、近頃では「経済特区」や「創業特区」などといった先進的な仕組みが試されています。
震災後、福岡へ移住してくる方が徐々に増えており、特に子育て世代の移住ケースが目立っています。私もそうでしたが、移住に際して大事なポイントは「住居」「仕事」「子育て環境」の三つです。福岡では、住居の供給は割と飽和している状況ですので、高望みしなければそれなりの住居に出会える確率は高いですが、受験シーズン、進学シーズンは九州各県から新入学生や新社会人の移動が多くなり、住居もかなり動きますので良い住居は少なくなる傾向にあります。
また、仕事に関して福岡は失業率が比較的高い地域でもあり、特に働き盛りの世代にとってはマッチングが容易ではない状況で、私もここで苦戦した経験があります。よくIターン就職と言いますが、実際はかなり厳しいものがあり「どうせ地元に帰っちゃうんでしょ」という先入観から、採用に至らないケースが多いと聞きます。
子育て環境ですが、福岡は九州内でも唯一人口が増加している地域で、子育て世代も多いので、住民向けサービスは充実していると感じます。しかし、デメリットとしては「待機児童」の多さが目立ちます。理由は単純で、経済や商業の中心である都市圏に人口が集中している事から、主に都市部の待機児童が突出して多くなっています。
こうした現状から、最近では「福岡移住」をコンセプトとした様々な取り組みが活発に行われています。
「福岡移住計画」
移住や定住に必要となる要素を全て網羅し、移住者同士が相互に支え合って新しい暮らしをより豊かなものにしていく仕組みを打ち出しています。また、住居だけでなく仕事も創業から立ち上げられる環境もあり、住まいの提案地域も福岡で人気が高い「都市部に近い田舎」といったコンセプトです。
福岡に避難されている方の多くは、既に九州への定住を決断されていますが、やはり仕事や居住地域など色々と悩みは尽きないようです。特に相談件数が多いのは就労についてですが、正社員として就労できている人は、まだまだ少数派です。
また、お子さんの進学に合わせて、地域の学校の学力やスポーツレベルなどのご相談が寄せられます。
こうしたご相談について、当団体ではご相談者一人ひとりの実情に合わせた対応を行っており、ご要望に合わせてご自宅へのスタッフ訪問や来所相談を受け付けています。
最近では、避難者の方からのご依頼で小規模な交流会を個別に開催したり、情報が行き届いていない世帯への積極的な情報提供のアプローチを行っています。大掛かりな支援活動はほとんどありませんが、福岡をはじめ九州各地でも避難者のみなさんおひとりおひとりに寄り添った支援活動を行う団体がいくつかあります。
悩みや不安は人それぞれで、大小はありませんので、是非お気軽にご相談をいただけましたら幸いです。
一般社団法人市民ネット
092-409-3891