「関西広域避難者支援センター」設立
今年6月、「関西広域避難者支援センター」が設立されました。事務所は大阪市内の大阪ボランティア協会にあります。
このセンターは、兵庫県の支援団体「三田を知る会」、大阪府の支援団体「NPO法人千里すまいを助けたい!」と「チームおせっかい」、奈良県の自助団体「奈良県被災者の会のまはら」、近畿の自助団体「まるっと西日本」の5つの団体で構成しています。5団体は、これまでそれぞれのエリアで学習支援、交流の場作り、住まいの相談、情報紙発行や情報配信、訪問、交流会開催などで関西の避難者へのサポートを継続してきました。今年は連携して、それぞれの得意分野を共有しながら、常設窓口でも暮らしの相談に応じます。
「福島県の支援策等については、福島県避難者支援課・生活拠点課や、『ふくしまの今とつながる相談室toiro』(TEL 024-573-2731)へ問い合わせ出来ますが、最近の相談は、ほとんどが今住んでいる場所での『暮らしの相談』です。震災と原発事故をきっかけにやむなく関西へ避難された方々の、関西での仕事、子育て、教育などの暮らしや住まいの相談にこそ、関西の私たちが応じることが出来ると思っています。住宅支援が終了した後の新たな住まい探しなどの相談も増えています。」と構成団体のみなさん。
阪神・淡路大震災の被災者に「よろず相談」としてよりそい活動を続けたNPO法人「よろず相談」理事の牧秀一さんは、WEBサイトや今年3月に関西学院大学で行われたシンポジウムで、「復旧復興のなかで、『人の支援』は見落とされがち。私たちの『よろず相談』は、専門家による治療やサービスではありません。普通の人として『なんとなく、ずっとそばにいる』ことで心を開いた本音の会話を交わせる。見守りや寄り添いは、派手な支援イベントではないが、最後まで残る大切な活動。見守る方法は訪問や面会だけでなく手紙や電話でも出来る。」と、長期間見守り続ける支援の大切さを教えてくれました。
また、関西広域避難者支援センターには、阪神・淡路大震災で被災した経験を持ち、東日本大震災による避難者への支援活動を行っていた2名も、メンバーとしてかけつけました。
「私たちは完璧な専門家ではない関西の住民。でもみなさんのそばにいて一緒に考え、少しでも今の暮らしを改善できることを一緒に探す存在になりたい。関西広域避難者支援センターは、東日本大震災や原発事故による避難者に寄り添い、伴走する存在として、関西へ避難された方々の力になりたいと思います。」