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4団体と専門家がチームで家庭訪問を一斉スタート。関西一円の避難者を対象に。

6月11日、大阪市の大阪ボランティア協会に関西で4つの避難者支援団体が第一回ミーティングと記者発表を行い「関西家庭訪問プロジェクト」を一斉スタートしました。実施するのは奈良県被災者の会、滋賀県内避難者の会、NPO法人和(Nagomi)、まるっと西日本の4団体。スーパーバイザーに産業カウンセラー協会関西支部、関西学院大学復興災害制度研究所、訪問には和歌山県の民生委員、東北、関東からの避難者も参加。4つの団体が連携をとりながら関西全域をカバー、交流会や避難者数の少ないエリアへも個別訪問を行い、相談や個別交流を行います。

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個別対応の支援のむずかしさ

関西では奈良県では2011年度から、大阪府、滋賀県でも希望者にはそれぞれの自助団体や支援団体、社会福祉協議会などが、独自に受け入れエリアでの個別訪問を実施。京都のNPO法人和、大阪のまるっと西日本でも深刻な相談には対面で情報提供や相談に応じていました。訪問後の避難者からの相談をどう解決していけばいいのか。専門家ともチームを組んで取り組む体勢づくりにも4つの団体は連携していくことの重要性を感じています。

これまで関西の「避難者への家庭訪問と個別支援」は、被災自治体や受け入れ自治体、各地の支援団体の有無、組織の規模や資金によって差があり、ピンポイントの支援でした。被災県の支援や、支援団体の有無、力量の格差により取り残される人もいます。これまでの避難者の相談ケースからは「受け入れ避難者数」が少ないエリアからの相談は「交流会がない」「相談する所がない」など孤立を訴える声があり「支援団体や自治体の支援格差によって支援から取り残される人をどう発掘すればいいのか。」が課題でした。

5年目に「訪問」を行う意義

復興庁の全国避難者情報システムによりますと関西には約3,000人の避難者がいます。しかし、交流会では「システム」について「全く知らない、登録していない、インターネットを見て交流会に初めて参加した。」という避難者が後を絶ちません。システムへの登録がなければ、関西で実施されている支援情報を伝えられず支援団体やほかの避難者ともつながりもないまま4年間を過ごしてきた人もいるのです。「支援の届いていない避難者がまだどこかにいる。」と支援団体は危機感を感じています。既に福島県、宮城県、岩手県から住宅支援の期限に関する発表があり、個別対応の相談の増加が見込まれます。支援団体は定住・移住・帰還相談に応じる体勢づくりや情報提供など丁寧な相談に応じる準備をすすめています。交流会は今も各地で行われていますが、交流会での個別の相談を打ち明けることのむずかしさから参加者は固定化しています。若い母親たちの多い交流会では男性、高齢者の参加もむずかしく、交流会などでつながりを得て関西に馴染む人と孤立する人の二極化がすすみました。うつ症状などの心の問題を抱える人も増えています。さらに被災県の住宅支援の終了時期が発表され、関西の支援団体は5年目をむかえ「個別対応の支援」の必要性を改めて感じています。

「どこへ避難しても支援を受ける事が出来るように」を合い言葉に4団体が助成の期間や資金、マンパワー、問題解決のためのノウハウ集の構築がスムーズな支援につながるようにと協力し合います。阪神淡路大震災や福知山脱線事故のリスクカウンセリングの経験を持つ専門家「産業カウンセラー協会関西支部」、阪神淡路大震災から「人間復興」を掲げる被災地に建つ関西学院大学災害復興制度研究所をアドバイザーに迎え、かつての被災地関西のノウハウを活かしたチームの結成にこの日会議室は熱気に包まれていました。

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避難された方との「交流」「情報提供」のための訪問は、ご家庭だけでなく、それぞれの団体の事務所や、最寄り駅の喫茶店などでも行います。お気軽に下記の宛先まで御連絡ください。

  • まるっと西日本(大阪、兵庫、和歌山担当):Tel. 080-4484-0298
  • NPO法人和(なごみ)(京都担当):Tel. 075-353-5181
  • 滋賀県内避難者の会(滋賀担当):Tel. 090-5154-0767
  • 奈良県被災者の会(奈良担当):Tel. 050-3636-7132

避難者つなげて、つながる 関西4団体、孤立防止へ戸別訪問 東日本大震災