避難されている方々へ

東日本大震災に伴い全国に避難されている方々のための地域情報サイト

ブログ

避難者自らが取り組む関西の避難者支援

まるっと西日本です。
今回は関西各県で「避難者支援」に取り組む避難者の会をご紹介します。

奈良県の「奈良県被災者の会」(2012年3月発足)代表の高橋周介さんが避難先でボランティアの方の家庭訪問を受け訪問支援を手伝うようになり、避難者支援に乗り出しました。交流会の開催、情報紙の発行、家庭訪問などを実施。自然豊かな奈良での「農園交流会」も実施中です。奈良県では奈良NPOセンターを中心に奈良県の支援団体との連絡会議も開催されています。

滋賀県には「滋賀県内避難者の会」(代表 佐藤勝十志さん 副代表 高野正巳さん)が相談支援や交流会を開催しています。東日本大震災の経験をここ関西で役立てて欲しいと滋賀県内の避難者たちが自身の体験を語る場として、滋賀県庁との協同で防災イベントなども開催中です。

京都には「一般社団法人みんなの手」(2011年12月発足 代表 西山祐子さん)福島と京都と結ぶ「家族再会バス」をお盆と年末に運行。古い町家を改装した「みんなのカフェ」では東北の郷土料理を楽しむ地元京都の人の姿がみられます。そこには西山さんが望んだ京都の人と愛する故郷福島が「食」や「おしゃべり」を通じてつながり、解け合う空間がうまれています。

兵庫では4つの会が発足。「ひょうご ぷらっとホーム」(西宮市 代表 川田智子さん、鹿山真里さん)。三木市社会福祉協議会が運営をバックアップした「おひさまカフェ」(代表木幡智恵子さん)。避難移住者ネットワーク『こっからネット』(篠山市 代表 廣岡 和哉さん)、「べこっこMaMa」は地元神戸のNPO法人が運営や事務局をサポートし、「べこっこカフェ」の開催やべこ色のジャムの販売を行います。

他にもご紹介できなかった会もいくつもありますが、これらのグループは全て福島県出身の方が代表をつとめています。

2015年1月14日の毎日新聞は「阪神大震災:県外避難7割戻れず 避難先で永住を決意した人や死亡・行方不明など654世帯(67%)は戻れなかった。」と報じています。2015年4月から住宅支援が段階的に終了し、関西では住宅支援の対象者も変わっていきます。阪神淡路大震災の例を見ても一定期間の定住や移住を決意する人は今後、増加すると関西の支援団体は見つめています。

定住・移住支援にも窓口としての各県の避難者の会の継続が期待されていますが、スタッフの人材不足、運営の拠点作りなど支援活動と自身の生活再建を両立することが困難だと代表者たちは口を揃えていいます。

避難者が漂流しないための策は何なのか?当事者だからこその「支援」を生み出す各会は、その県に避難した避難者たちを支えています。しかし震災から5年目を迎えようとしている今、徐々に活動の縮小や休止せざるを得なくなっている会もあるのです。

150313_kansai01
【奈良県被災者の会の交流会の風景】

150313_kansai02
【べこっこMaMa が販売しているトマトジャム】