地域とつなぐ「ふくしまあじさい会」の活動
こんにちは。地域調整員、関東甲信地域担当の金子です。
震災から5年が過ぎて、関東地域では避難されている方々の住宅を求める動きが目立つようになってきました。避難されている方々にとって住宅の問題は大きく、平成29年3月末には、自主避難者への住宅供与期間が終了するなど、更に選択を迫られている状況になっています。これからの居住先を決める中で、それぞれの選択があると思いますが、避難先地域やこれから移り住む地域のコミュニティは大切なポイントになるのではないでしょうか。
今回ご紹介する「ふくしまあじさい会」は、栃木県下野市を中心に活動する避難当事者団体で、そういった地域のつながりを大切に活動する団体のひとつです。
9月18日(日)、ふくしまあじさい会のバーベキューに参加させていただきました。当日は、荒れ模様の天候でしたが、朝早くから会のみなさんが集まり、準備をし、また利用した施設のスタッフの皆さんにも協力いただきながら、小さい子から年配の方までが参加する笑い声の絶えない会となりました。
ふくしまあじさい会は、2011年6月に「あじさい会」として活動をスタートしました。避難者同士のつながりを求め、「福島」や「いわき」ナンバーの車を自転車で見付けて回った会の代表の苦労もあり、その想いに賛同した仲間が集まり、翌年6月に「ふくしまあじさい会」と名称を改めました。その頃より、月に1度の定例交流会を開催し、今では毎回40〜50名の方が集まるそうです。また、毎月独自に広報誌を発行し、下野市の協力により市内の避難世帯へ発送しています。現在、下野市には125人(平成28年8月30日現在)の方が避難していますが、その様な地道な活動によりほとんどの方を把握できています。
また、地域との交流も盛んで、福祉施設の田植えのお手伝いや地域のイベントでの出店、清掃活動等に参加し、代わりにイベントやお花見等のお誘いを受けるなど、その交流も定例化してきています。孤立してしまう人がでないよう、避難者同士のネットワークをつくり、避難先地域への感謝や地域に溶け込んでいけるような取組を続けてきているからこそ、避難者の集まりの場が減りつつある中、つながりを求めて、下野市内のみならず、周辺地域や県をまたいだ参加も増えてきているそうです。
ふくしまあじさい会は、毎月第2木曜日、下野市コミュニティセンター「友愛館」で定例交流会を開催しています。お近くにお住まいの方、また遠方からでも会の活動にご興味がありましたら、ぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか。