都内避難当事者団体によるつながりと取り組み
こんにちは。とみおか子ども未来ネットワークの金子です。今回は、昨年秋に東京都内に避難されている方々がつくるサロンや団体が集まって開催した“秋の大交流会「バスハイク2014秋」”、そして、年末に行われた“お正月準備の会「ふるさとを感じる大交流会~餅つきと浪江焼きそばで、行く年来る年~」”について書いてみたいと思います。
秋の大交流会「バスハイク2014秋」
このバスハイクは、都内で活動する10の当事者団体を中心に77名が参加、観光バス2台とマイクロバス1台を借り切り、昨年の11月8日(土)~9日(日)にかけて1泊2日で行われました。開催にあたっては、当事者団体による実行委員会を設置、事務的なサポートに広域避難者支援連絡会 in 東京が入り、開催までに6回にわたる会議の中で企画や運営の仕方などを考えてきました。
当日、都内5各所を起点にバスに乗り込んだみなさんが目指すのは千葉県の一宮。生憎の雨模様となりましたが、宿泊場所となった一宮シーサイドオーツカに到着すると、ホテルで用意してもらった大鍋を使ってみんなで芋煮を作り、昼食をとりました。昼食後は交流企画として、各団体の紹介とテーブルを囲んで自由に話ができる時間を設けました。夕食時にはホテルより地元の和太鼓の演奏のプレゼントもあり、みなさんが食事と会話を楽しみました。その後も夜遅くまで盛り上がりました。二日目は内房の金谷に移動し、昼食と房総のお土産を購入、アクアラインを経由して海ほたるに立ち寄ってから東京に戻り、解散となりました。
都内では他地域に比べて当事者による団体が多く、昨年度あたりからそれぞれの団体を超えての交流やイベントが少しずつ増えているように感じます広域避難者支援ミーティングin東京で集まった当事者団体のみなさんと話す中でも、もう少しゆっくりとした時間の中でじっくりと話ができる機会、同じような想いをしている方々の出会いの場を作れないかとの話があった中で行った今回、実行委員会が行う準備の段階から開催にいたるまで、団体間のつながりが深まったと感じました。
お正月準備の会「ふるさとを感じる大交流会~餅つきと浪江焼きそばで、行く年来る年~」
バスハイクを当事者団体による実行委員会で企画、実施した後、より広く交流を深められる場として12月27日(土)、いたばし総合ボランティアセンターを会場に「お正月準備の会」を開催し、160名の方たちが参加しました。この会については、2013年から引き続いての開催となりましたが、今回はバスハイクの実行委員会のメンバーが引き続き、企画運営に参加したことで、当日は避難当事者のみなさんが浪江焼きそばや雑煮の調理、餅つきに積極的に関わり、時にはボランティアに指導する場面も見られました。
震災から3年半以上が経ちましたが、この場で震災以降初めて再会したという方も何名かおり、子どもから高齢の方まで、多くの方が集まることで新しい交流の場が出来たと思います。また、故郷での年間行事であった正月準備(餅つき)を避難先である東京で開催することが、もう一度自分の暮らしを見つめる場になり、普段はなかなか交流の場に参加しない方がこんな会なら覗いてみるかなという機会になったのではないかと思います。
都内の当事者団体はそれぞれ、避難先での集まりだったり、避難元、母子避難や自主的に避難されている方を主にした活動だったりと様々な集まりがありますが、今後もそれぞれの団体がその特徴を生かしつつ、もう一つ広いつながりをもって、何か困ったときは相談しあえる、お互いに求め合える関係を作っていければと思います。