はじまりは・・『ようこそ あったかい道(yokoso attakaido)』・・
みなさんこんにちは。東日本大震災、福島第一原発事故により北海道へ避難している人たちの会「みちのく会」の本間紀伊子と申します。
『北海道は寒いけど、あたたかく皆さんをお迎えしますよ。』そんな気持ちで集まった北海道民と震災後9年ぶりに宮城県から北海道に戻ってきた私が、北海道に避難してきた方々が集まれるイベントを企画したのが、2011年3月末のことでした。
音頭をとったのは、現在の避難者受入支援団体「あったかい道」。4月9日に開催したイベント「第1回ようこそあったかい道」では、約100人のボランティアスタッフ、民間企業や行政の協力をいただいて約100人の避難者さんが参加され、まだ雪の残る北海道であったかい心を持ち寄ったイベントとなりました。これを契機に、避難者たちの会「みちのく会」が発足し、支援団体行政、企業、市民などとの連携が震災直後から出来上がっていたように思います。
さて、そこから4年目を迎えた今、避難している人たちの状況も多様化し、支援とは何か?何が必要で必要でないのか?非常に難しい状況に直面しています。そのような現状を、支援団体、行政、他支援に関わる各機関で共有し、各セクションが連携をとっていくために、2カ月に1回、みちのく会の事務所にて『全道連絡会』を行っています。
参加メンバーは、支援団体12団体(うち中間支援団体2団体)・当事者団体4団体+みちのく会5支部・行政(福島県、北海道、札幌市、社会福祉協議会)・弁護士会・司法書士会・アカデミック・北海道新聞社社会福祉振興基金などの32団体です。毎回、オブザーバーとして参加いただく団体があり、4月にはJCN、6月には、みちのく未来基金に来ていただきました。
全道連絡会で話題とする内容は会議方式ではなく、何かを決めることを目的にはしていません。私個人の思いとしては、情報共有とコミュニケーションを重視しています。避難者が様々であると同様に、支援者も様々である中、意見の違いがあることを統一しようということではなく、それぞれの得意分野を持ち寄ることで一緒に前に進んで行くことができればと思っています。
また、せっかく遠方より参加いただいても2時間の連絡会に発言できることも限られてしまうため、会の後の時間に、手作りの懇親会(ANPAN☆NIGHT)※事務所の前に通っている道路がアンパン道路というので、この名称をつけました」を同会場で設け、道内で支援活動を行う皆さん、避難者さん、一般市民、ボランティアさんなど参加者の輪を広げ、肩書にこだわらず参加いただいています。皆さんに楽しんでいただきたいという思いで避難当事者側が企画をしていることが、あまり表からはわからないかもしれませんが、震災直後からあったかく受け入れていただいた北海道への感謝の気持ち、「ありがとう」という原点を忘れずに、今後もともに歩んで行けたらと思っています。