みちのく会 解散
「みちのく会は、今年度(2017年3月31日)をもって、解散させていただく運びとなりました。」
2016年12月5日、みちのく会HPに解散のお知らせを掲載致しました。突然のお知らせに、驚かれた方もいらっしゃると思います。連絡が行き届かず、大変申し訳ございませんでした。
「みちのく会の機能縮小化」この言葉が、今年度はじめに掲げたキーワードでした。ですが、そこにいたる経緯は2年ほど前から会員アンケートによる意志確認、また現状の理解を頂きつつ、関連団体には運営の現状等を相談しながら少しずつ調整しておりましたが、会内でもギリギリまで考え、12月3日の総会を持って会として最終的に決断した発表だと、ご理解頂ければ幸いです。
解散を目前にしてこのように文章を書いていると、たくさんの方に支えられた経緯がよみがえります。震災混乱の中、縁あって北海道の地で集まり、命がある喜びをわかちあうための場所づくりでした。個人がグループとなり、グループが団体となり、団体が組織となりました。
震災による北海道の被災・避難者自助団体「みちのく会」。全国でも最大規模の当事者団体「みちのく会」。5つの支部を持つ最大約1800名の会員を持つ団体「みちのく会」。新聞、メディアで紹介される会の肩書は多くありましたが、つど寄り添って報道して頂けました。これは当事者の会にとって、本当にありがたい事だと思います。
そのような巨大な組織ですが、蓋をあければ、震災前はごく普通のまちで生活を営む個人でした。個人といっても、完全に素人の集まりです。もともと専門的知識などなにもない素人の集まりです。支援を行うような運営なんて右も左もわからない、ただ震災を経験してきた素人です。ただ少しだけ違うのは、それぞれ何もなくとも「体験とおもい」だけは持った素人です。会費をとらずに、どうにかこうにか活動を続けられたのは、たくさんの方々の支援、配慮、応援があっての賜物だと、胸につまる思いがあります。
当時1歳だった子どもたちは小学校に上がりはじめ、高校生の子は大人になり、状況は変化してきました。心の時間軸は止まったままでも、環境は変化しつづけます。今後新しい生き方をつくって行く中で、団体の姿はなくとも、各々が繋がりを大切に思っているからこそ、広い北海道でも横のつながりを無くさず、新しい展開へ挑戦できるのだと思います。そのステップとして、この度の解散に踏み切った大きな理由となります。
「終わりではなく、新しい挑戦への一歩を踏み出したのだ」と、今後も寄り添いの中、北海道を応援して頂ければ幸いです。みちのく会へ沢山頂いたご厚情、感謝致します。誠にありがとうございました。