東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)

現地会議

第12回 現地会議 in 岩手

「先を見通す~これから立ちはだかる壁~」をテーマに、岩手県全体で今後の地域そして活動へのイメージを具体化させていきます。震災からの復興だけではない、様々な事例を通して先を見通すきっかけを作る機会とします。

登壇者の主な発言 資料等 開催概要

登壇者の主な発言

【テーマ1】「災害復興事例から考える」

定池祐季 氏(東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター)

奥尻島の現在の人口は2,880人。北海道の南西部にある、漁業と観光の島です。1993年7月12日夜10時17分に北海道南西沖を震源として起きた地震で、波の第一波は早いところで地震発生から3分で到達しました。私の住んでいた地域は北海道の本土にぶつかった津波が跳ね返ってきました。一番高いところでは約30メートル遡上したと言われています。

青苗地区の中には、日本海中部地震(1983年)に続いて2度目の被災をし、住宅や漁船・漁具の2重負債を抱えた方もいました。当時は、義援金を原資とした復興基金から、手厚い援助がありました。70代の方でも住宅・漁業の再建が可能になったため、人口流出を食い止められた側面があります。ある漁師さんは、支援のおかげで、被災のため辞めようと思っていた漁師を続けることができ、ありがたかったというお話をされていました。

住民の方にお話を聞くと色々な声があります。当時の奥尻の復興は、家を再建すること、漁船を再建すること、商業を再開することが中心でした。「これって復旧じゃないの」と思われるかもしれません。でも、島の方達と話していると、「復興の後」という言い方を聞くことがあり、「復興」は終わったものとして捉えている様子がうかがえます。ですから、「復興」をどのように示すのか、「復興」の先に何があるのか、ということは、時代や地域によって変わっていくのだと思います。

資料等

開催概要

タイトル 先を見通す ~これから立ちはだかる壁~
日時 2015年10月2日(金) 13:00-17:00
会場 岩手県産業会館 大ホール
(盛岡市大通り1-2-1)
プログラム
【テーマ1】「災害復興事例から考える」
過去の災害事例から、今後岩手に起こりうる出来事などを考えます。
[報告]
定池祐季氏(東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター 特任助教)
[コーディネーター]
田尻佳史(認定NPO法人 日本NPOセンター常務理事/JCN代表世話人)
【テーマ2】「イマジネーション」
小グループに分かれて何が求められているのか考えます。
  • テーマ1の事例から、自分たちの地域の未来を考える
  • 自分たちの地域の未来から、今後必要となる活動や事業展開について考える
[ファシリテーター]
NPO法人 日本ファシリテーション協会
【テーマ3】「災害復興ではない事例から考える」
災害事例ではなく、通常の地域づくりの事例から先を見通すための考え方を学びます。
[報告]
大江正章氏(出版社コモンズ代表、ジャーナリスト)
主催 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)
共催 NPO法人 いわて連携復興センター
災害ボランティア活動支援プロジェクト会議
協力 NPO法人 日本ファシリテーション協会
NPO法人 メディアージ
参加者数 40団体 59名